■カニョネグロ 2005.7.4 update

コスタリカはエコツアーが有名な国だ。自然に入り、自然を感じ、自然を楽しむエコツアーを求め世界各国から沢山の旅行者が集まる。日本ではまだまだ知られていないコスタリカだが、欧米では有名な観光地なのだ。自然は、日ごろ都会の喧騒の中で生活している者に心の安らぎを与えてくれる。自然の中に身を置くと、それだけで元気になっていくような気がする。人間にとって自然は必要なものだと再確認させてくれる。

そのような素晴らしいエコツアーだが、自然が相手だけに計算しにくい要素がある。それは天候だ。例えばどんなに綺麗な鳥を見ようと努力しても雨に降られれば鳥は隠れてしまう。火山の噴火や流れる溶岩が見たくても、山を霧や雲が覆ってしまえば何も見えない。短い日程で来ている旅行者としては頭の痛い問題である。相手が天候だけに苦情も言えない。特に4月から11月の雨期となると益々難しくなってくる。そういう中、幾つか天候を計算しやすい場所がある。今回はそのうちの1つであるカニョネグロボートツアーを紹介したいと思う。

カニョネグロボートツアーは、コスタリカの北部グァナカステ県にあるカニョネグロ自然保護区内のカニョネグロ湖(Lago Ca撲 Negro)から流れる濁色のフリオ川(Rio Frio)を、ボードで進みながら40cmを超えるカワセミのキングフィッシャーをはじめ50種以上の水鳥、イグアナ、ナマケモノなど次から次へと現れる動物を見ることが出来る。通り過ぎるボートに対し、「おうおう」と威嚇の雄叫びを上げる全身が黒のハウエーモンキー(Howler Monkey)の咆哮を聞きながら、森の宝石と呼ばれるブルーの羽を持つモルフォ蝶がヒラヒラと美しい姿を披露するその脇で、80cmの鵜が魚狩りをしている。その奥でワニがノッソリと目だけを水面に出しながら泳いでいる。反対の岸では白い顔を持つホワイトフェイスモンキー(White throated Capuchin)が木の実を食べている。観光客を全く飽きさせない。

その中でも人気な動物が、世界一美しいトカゲと呼ばれるグリーンバシリスクだ。緑色が少しだけ薄くなったような体色に白い斑点があり、黄色と黒の目を持つグリーンバシリスクは見るものを魅了する。オスには大きなトサカがあり、そのためにメスよりも美しく見える。また、このトカゲは「ジーザス・クライスト」とも呼ばれている。後ろ足を素早く動かし、水面を6m走る姿から水の上を走る姿から「信じられない!」というところから、そう呼ばれるようになったらしい。水の上を駆ける姿は美しく、素晴らしく、そして滑稽でもある。グリーンバシリスクを見つけるのはむずかしい事では無いが、水面を走る姿をみるのは少々困難である。川岸にいるのだがボートが近づくと森の中に消えてしまい、なかなか水面を走ってくれないのだ。水面を走る姿を見ることが出来た人は非常に運が良いといえる。

私が個人的に好きな動物はロングノーズバット(Long Nosed Bat)だ。コウモリの一種である。日本人はコウモリと聞くと、洞窟などの薄暗い場所で逆さまにぶら下がっている不気味な姿を想像する人が多いようだが、ロングノーズバットは全くそれとは違う。

大きさは4cmと小さく、川岸に立つ木の幹に頭を下にして集団でへばり付いている。頭を下にしているあたりがコウモリの特徴を保持している。直射日光は避けているのだが暗闇とは程遠い場所で寝ており、一匹がプルプル体を可愛く動き出すと、それに連鎖して皆が動き出す姿は見ていて本当に可愛いのだ。後ろ足で隣のコウモリにチョッカイを出す個体、アクビをする個体など見ていてホノボノとした気持ちになってしまう。あまり警戒心がないのか人間が1mの距離に近づいても逃げることが少ない。それ以上近づくと「いっせいのせい!」と言わんばかり皆が同時に飛び立ってしまうので注意が必要だ。

このエリアは雨期に関わらず午前中に雨が降ることが少ない。そういった理由から午前中のボートに乗れば土砂降りの雨に襲われることも無くツアーを楽しむことが出来る。後は豪雨に見舞われる事が多いので、やはり午前中のボートに乗りたい。勿論雨が降ってきた場合もボートには屋根がついているのでずぶ濡れになる事は無いが動物発見が困難になってしまうのだ。

雨期に他の観光地で雨に祟られた運が悪い観光客も、カニョネグロでは満足してもらえることであろう。最初に雨期で計算しやすい場所と書いた。他の観光地が雨で楽しめなかった為の「保険」という。乾期であれば訪問しなくても良い場所と受け止められたかもしれないが、決してそういう意味ではない。雨期でも計算しやすいという意味であり、雨期、乾期を問わずコスタリカを楽しんで貰うためにも旅行に組み入れて欲しい場所だ。

勿論、私は一度も遭遇したことが無いが、ごくたまにではあるが午前中から大雨が降ることもあるらしい。そういう時は雨が降る川をユックリ眺めて欲しい、それもまた自然なのだから。

画像右上:水鳥
画像左上:ホワイトフェイスモンキー
画像右下:ホエザル
画像左下:昼寝中のイグアナ


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