■コスタリカの料理 2005.5.16 update

コスタリカは、主食が米である。日本と違い長粒米ではあるが、三食の食卓に欠かすことはできない。代表的な料理はいくつかあるが、最も重要な料理として、ガジョ・ピント(Gallo・Pinto)があげられる。一見日本の赤飯と同じようにみえるが、似ているのは色だけで、味はまったくの別物。中南米での食卓に欠かすことのできない、フリホール豆と、米を炒め合わせたものだ。

作り方は至って簡単、残り物のフリホール豆とご飯を油で炒めるだけだ。家庭によってはそこに玉ねぎ、コリアンダー、赤ピーマン、トマト等をあわせる。このガジョピントに、チーズのフライ、プラタノという調理用バナナ、サワークリーム、卵焼き等を添えたものが、コスタリカの典型的な朝食だ。

コスタリカ人は、このガジョピントを作る際に驚くほどの量の油を使う。かつて農業がこの国の主な産業であったころ、炎天下での農作業でバテないように、との名残であるとか。

昼食、夕食では、カサードと呼ばれる定食が中心だ。ご飯、フリホール豆、サラダ、肉料理を一皿に盛ったもので、料理が違っても一皿に盛り合わせてあるものを総称して、カサードという。

ご飯、豆、サラダ、付け合わせのプラタノは、毎食変わることがない。メインの肉が魚フライになるか、肉の種類が変わるかで、昼食と夕食に変化が現れる。肉料理には、ステーキ、骨付きハム、鳥肉の煮込み、挽肉とミジン切りにした野菜を炒めたピカリージョと呼ばれるものが、定番として食べられる。

この国の代表的な輸出食品の一つであるエビも、多くのコスタリカ人に好まれてはいるものの、高級食品であるために一般家庭でお目にかかることはあまりない。

郷土料理としてあげられるものの一つに、オジャ・デ・カルネ、というものがある。オジャとは鍋のこと、この場合のカルネとは牛肉をさす。名前の通り、牛肉のスープだ。牛筋肉を煮込んだスープに、大量の野菜(ニンジン、玉ねぎ、里芋、サツマイモ、ユカイモ、トウモロコシ、ジャガイモ等の根菜類)を一緒にゆでたものだ。

味は、肉の出汁と塩だけで付けられることがほとんどで、素材を生かした野趣のある味付けとなっている。大鍋で作られることが多いこの料理は、家に人が集まることの多い週末の昼食に、よく食べられる。そのままスープとして食すもよし、ご飯を混ぜて雑炊風にしても、なかなかおいしい。暑い日に、汗をたっぷりかきながらこのスープを食べると、暑さバテもどこかへ吹き飛んでしまう。

もう一品、アロス・コン・ポジョ、という料理も、コスタリカ料理を語る上では欠かせない。文字どおりチキンライスである。しかし、この料理はコスタリカ人にとってはある種特別なもので、誕生日や記念日など、お祭りの日の定番料理となっている。

本来の作り方は、丸まる一匹のチキンをゆで、その出し汁でご飯を炊き、炊きあがったご飯と、茹でた鳥肉、野菜を炒め、アチヨーテという香料で色付けしたものであり、鳥を一匹しめるような特別な日に作られるものである。今でこそスーパーで簡単に鳥肉が手に入るので、手軽に調理できるようにはなったが、それでも特別な日のご馳走、というイメージはあるようだ。

観光客向けのレストランへ行くと、大きなエビやロブスター、セビチェという白身魚のマリネ、が定番のコスタリカ料理として紹介されており、コスタリカという国名にふさわしく豊かな海産物に恵まれていることがわかる。特大ロブスターが3匹グリルされた大皿料理でも、30$程度。コスタリカ人にしてみたら確かに高級料理ではあるが、豊かな海鮮料理がコスタリカの一つの看板、ともなっているのだ。

しかし一般的なコスタリカ人の家庭料理は、ガジョピントやカサードを中心とした質素なものだ。豆や野菜を中心としたもので、大量の肉は食べない。首都サンホセでは、ありとあらゆるものが売られており、食生活もそれなりに豊かなものだが、地方へ行くと基本的には三食ともにガジョピントが中心である。カサードにしても、一皿で全てを済ませてしまう、というコスタリカ独特の合理主義が感じられる。

質素ではあるが、農業国コスタリカの名に恥じない、新鮮な野菜をふんだんに使った料理は、飽食の国から来た我々に、ある意味新鮮な味を提供してくれることだろう。


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