■火山王国コスタリカ 2005.1.17 update

一月ほど前の深夜、太平洋側の海岸の町ケポスを震源とした地震が発生した。マグニチュード6.1、首都サンホセでもかなりの揺れを感じた。日本ほどでは無いが、改めて地震や火山の国という認識を持った記憶がある。日本のように耐震性に優れた建築ではないため、少しの揺れでも体感度は倍増だ。一説によると、トタン屋根ばかりでお世辞にも美的センスに優れているとは言い難いサンホセの町並みは、地震の被害を最小限に食い止めるためだとも。ある意味妙な説得力を感じてしまった。

日本ではあまり知られていないが、コスタリカは有数な火山大国だ。スペイン語で火山のことをVolcanと表記するが、コスタリカの地図を広げると、至るところにVolcanの表記が見つかる。コスタリカの国旗をよく見ると、中央に3つの火山が描かれていることにも気付くだろう。これは首都サンホセを取り囲む火山で、ポアス、バルバ、イラスという名前がついている。空港に降り立つと、これらの中のポアスとバルバが雄大なその姿で我々を出迎えてくれる。これら3つの火山は、1963年のイラス火山の噴火を最後に現在は活動を休止している。我々日本人にとってはさほど珍しいことではないのだが、エコツアーと並行してこれらの火山ツアーがコスタリカ観光の目玉の一つだ。

コスタリカの地図を北から眺めて見よう。国境を越えるとすぐに現れるのがオロシ火山、そして国立公園にもなっている、リンコン・デ・ラ・ビエハ火山が現れる。このリンコン火山の麓には日本が資金、技術援助をした地熱発電所がある。リンコン火山を過ぎて南下していくと、ミラバレス火山、テノリオ火山と双子のように並んだ火山が現れる。どちらもやはり国立公園になっており、テノリオ火山の麓には2色のセレステ川が流れている。

テノリオ火山から南へ行くに連れて山はだんだんと深くなり、エコツアーでも有名なモンテベルデの熱帯雲霧林、アレナル湖が見えてくる。アレナル湖畔に富士山のようなかたちの美しい山が、アレナル火山だ。中米でも最も活発な活火山で、ほぼ毎日噴火を繰り返している。天気が良いと、昼間は噴煙を噴き上げる姿が、夜は流れ落ちる溶岩流を観察することができる。火山の麓にはフォルトゥーナ、アレナル、と2つの小さな町があり、観光客向けのホテルも充実しており、噴火の様子を間近で見ることができるのが売りだ。

アレナル火山を過ぎると一旦火山群は途切れるが、80km程南下すると、いよいよポアス火山がその雄大な姿を現してくる。ポアス火山からは標高もグンと高くなり、2000メートルを超える標高の山が連なる。アラフエラを見下ろすポアス、首都サンホセはバルバ、そして歴史あるカルタゴを見下ろす最も標高の高い火山であるイラス。サンホセの盆地の東側を取り囲むようにそびえている、この3つの火山もそれぞれ国立公園に指定されており、アクセスが楽なことから多くの観光客で賑わいを見せている。

イラス火山を過ぎると道は険しく、標高もいよいよ高くなってくる。パナマ国境にまたがるタラマンカ山脈だ。コスタリカ最高峰のチリポ山もこの山脈の一部だ。しかし地図を見ると、主だった火山はイラス火山までだ。スペイン語では火山はVolcan、それ以外の山はCerroと表記されているが、イラス火山より南は全てCerroと表記されている。中米の火山は、グァテマラより延々コスタリカまで背骨のように連なっていたが、ここで途切れるのだ。

火山と言えば温泉。コスタリカには我々温泉好きの日本人を十分に満足させてくれるだけの温泉がある。これだけ火山が充実しているため、至るところで温泉が湧き出ているのだ。とは言ってもほとんどの場所では日本のように設備が充実しているわけではなく、川に湧き出している温泉を堰き止めているだけ、といった簡単なものだ。それが返って大自然の野性味溢れるものとなっている。温度もそれほど高くは無いが、これは溢れた源泉が川となって流れているためだ。鬱蒼としたジャングルに囲まれ、鳥の囀りを聞きながらのんびりと温泉につかる。日本では味わえないこんな趣向も面白いだろう。

コスタリカを代表する温泉としては、アレナル火山の麓にあるタバコン・スパ・リゾートだ。湯量、水温ともに申し分なく、設備の充実度も群を抜いている。幾つもの温泉プール、バーラウンジ、レストラン、エステなどの設備があり、訪れる人を飽きさせない。だが何と言ってもここの最大の売りは、温泉につかりながら火山の噴火を眺めることができる、という点だろう。日が暮れてから目の前の火山を眺めると、ドォーンという音とともに溶岩が流れるところを見ることができる。火山の噴火自体そう簡単に見ることは出来ないが、ここでは毎日のように眺めることが出来る。コスタリカ観光でも人気のスポットであり、ほとんどの観光客が大満足で帰っていく場所だ。

これから4月下旬にかけては乾季となり、雨の多いこの地域も晴れの日が続く。日本とは全く違う環境での火山見物も一興だ。

画像上:火山に取り囲まれた首都サンホセ
画像下:イラス火山と雲海


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