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コスタリカの季節は大きく分けて乾期と雨期の2つに分類される。11月後半から4月後半までが乾期で旅行のベストシーズンと言われている。5月から徐々に雨の降る回数が増えてきて、7〜10月が雨期のピークとなる。日本の梅雨のように1日中シトシト雨が降る姿を想像してしまうが、それとは性格が異なっており、1日中雨が降り続けるのではなくスコールと呼ばれる短期集中型の大雨が襲い、それが過ぎると元通りのカラっと晴れた空が顔を出す。スコールさえ避ければ乾期とさほど変わらない。
しかし、スコールの時は傘をさしていようが雨具を着ていようが、ずぶ濡れになってしまう。自動車すらワイパーでは前を見る事が出来なくなり、路肩に一時停車して雨脚が弱くなるのを待つ程だ。首都サンホセの目抜き通りを闊歩する人々は、強いスコールに見舞われた時は傘などの雨具を出すのでは無く、ノンビリと雨宿りをして、スコールが過ぎ去るのを待つ。雨宿り時に偶然隣に居た人と、「凄い雨だねぇ〜」などと他愛の無い会話が交わされる。
6〜9月は日本からの観光客シーズンだ。以前は8月中旬のお盆時期に夏休みが集中していたが、最近は6〜9月の4ヶ月の間に自由に休みを選べる会社も増えてきた様子。しかしどちらにしてもコスタリカの雨期にあたる。長期休暇を得る事が難しい日本人にとって、スコールで身動きが取れなくなる数時間は非常に惜しい。なるべくなら雨期の旅行は避けたいのだが、仕事の関係でその時期にしか休みを取れない人は多いようだ。
しかし、雨期の6〜9月にしか見られない事もある。その1つがトルトゲーロ国立公園での亀の産卵だ。TORTUGUEROは「亀の来る場所」という意味で、カリブ海側に続くトルトゲーロ国立公園は6〜9月には産卵を目指した亀が大挙して押し寄せる。6月から7月後半は、ボチボチという感じで亀があがり、7月後半から9月中旬にかけてピークに達し、一晩で10匹以上の亀を見る事が出来る場合も多い。亀の産卵は夜間に行われる為に、トルトゲーロ国立公園では午後8時から10時と、10時から12時までの2回に渡り産卵見学ツアーが決行される。ツアーに参加する際は黒い服がベストだ。白いTシャツだと暗闇の中で目立つので亀に気づかれてしまう。人間の姿を認識すると亀は産卵をせずに海に戻ってしまうので、亀に認識されにくい暗い色の服装をする必要がある。
懐中電灯、カメラ、ビデオカメラなどは携帯が禁止されている。懐中電灯はガイドのみが所持でき、それも赤いフィルターがついているので薄暗い。そのような懐中電灯だけを頼りに真っ暗な海岸を歩く。カメラは、以前であればフラッシュなしで撮影する事が出来た。フラッシュは亀の目にダメージを与える為にフラッシュ禁止だったのだが、ルールを守らない観光客が多い為にカメラ撮影自体が禁止になってしまった。ビデオカメラも同様に禁止になった。今ではガイドが照らす赤いフィルター付きの暗い懐中電灯の明かりの中、肉眼で見るだけになってしまった。
亀は産卵を始める前は神経質だが、一度産卵を始めると途中で止める事は無い。産卵場所を見つけ、器用に後ろ足で穴を掘り、卵を生み始めると観光客は亀の側に行くことが出来る。一回に生む卵の数は70〜120と言われており、一度に3〜5個生むと一休みをして同じことを続ける。その中で生き残れるのは僅か1%だ。厳しい生存競争が待っているのだ。産卵が終わると、これも器用に後ろ足で砂をかけカモフラージュをする。傍目に産卵した場所とわからなくなると海にユックリと戻っていく。その姿は生物の強さ、自然の偉大さを感じさせ、見る者に感動を与える。
近年の開発の為に、世界中で亀が産卵できる海岸が減少している。研究者の間では今世紀中に絶滅してしまう種も存在すると言われており非常に残念だ。エコツアーに参加し、亀の産卵を見る事により、1人でも多くの人が亀の保護、そして自然保護の重要性に気がついてくれれば幸いだ。兎角素晴らしい亀の産卵。一度は見る価値があります。
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