■お祭りのようなメーデー 2008.5.13 update

今までの記憶をたどるといつもこの日だけは快晴だったような気がする5月1日、メーデー。ハンガリーでは祝日で飛び石連休がある前の週の土曜日を出勤日にして、その代休として飛び石連休を長い連休にしてしまう風習があります。今年はメーデーの祝日を挟んだ5月最初の週は殆どの会社が4連休となり、晴天にも恵まれたためにメーデーのデモにも多くの人が繰り出しました。

毎年、世界各地で暴動が起こったりしますが、ここブダペストではいたってのんびりとした労働者の祭典が繰り広げられています。思いっ切りこのメーデーの祭典に溶け込むには、観光客が必ず訪れる英雄広場、その周りを取り囲む市民公園に出かけることです。

英雄広場には五月柱と呼ばれる春の訪れを祝う木が立てられ、短冊のような飾りが付けられています。今年、用意されたこの木は14メートルの高さがあり、この木の下で恋人達が愛を囁くとその想いが成就するということです。まずはメーデーと余り関係ない演出に遭遇ですが、あくまでも平和的なハンガリーのメーデーを感じる一コマです。

市民公園の方向に進むにつれて人が多くなり、プラカードを持った人たちのデモにもたくさん出くわします。労働時間短縮や雇用条件の改善を訴えかける勇ましい文章が書かれたプラカードやキューバの革命家チェ・ゲバラの旗まで掲げていますが、デモ隊は休日の行楽を楽しむ人そのもので皆さん笑顔がこぼれています。

更に市民公園を進むと縁日さながら、食べ物やお土産を売っている屋台が道の左右に軒を連ねています。もうここまで来ると完全にお祭り騒ぎとなっています。移動式の子供用の滑り台やポニー乗り場などでは家族連れで賑わい、子供達の歓声が響き渡っていました。

それでも一応、労働者が主人公であった旧共産圏の労働者の祭典、メーデー。市民公園の大きな広場では政府の各政党がブースを設置して、政策を訴えかけたり、新しい党員の勧誘に強い日差しの中張り切っている様子が伺えました。

1989年に共産党一党独裁の歴史が終わり、体制が変わってから与党が総選挙のたびに変わってきた国ですが、前回2006年の選挙では初めて2期連続となった社会党(旧共産党)に今ひとつ元気がありません。その選挙では社会党が自由民主同盟と連立を組んでやっと議席の過半数を確保しましたが、支持率は低迷していました。メーデーの前日にその連立を正式に解消しましたが、社会党の支持率は更に下がり続け15パーセントになってしまいました。

EUに加盟したのが4年前のメーデー。ハンガリーの歴史の大きな節目を担った社会党ですが、競争相手をひねりつぶして一党独裁で政治を思うがままに操っていた時代のようには上手くいかないようです。旧共産党が低迷することと反比例するかのように資本主義を謳歌する市民達が、メーデーの祝日を楽しむ様子は時代の変化を敏感に感じ取ることができます。

画像上右:キューバの革命家チェ・ゲバラの旗を掲げるデモ隊
画像上左:英雄広場の五月柱
画像下右:屋台のおみやげ物屋
画像下左:市民公園の広場での各党のブース

【短信】一時期は25℃を越すような暑さにも見舞われ初夏が来たような感じがしました。それでもまだ朝晩は涼しく、アイスクリーム屋さんも繁忙期を迎えるにはまだ少し早いようです。(5/3)


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