■地下鉄工事で街は大渋滞 2007.11.6 update

秋が深まり、もう初冬といってもいいような日々が続いているブダペスト。ハンガリー人たちはあれほど夏の到来を待ち焦がれていたのに、近付いてきた冬の到来にため息をつきます。

暑い日々、どれを食べるか迷ってしまうほど一時期にお店に現れる新鮮な果物や野菜は、皮膚を焦がすような強烈な日光のおかげ。当分の間、ビタミンからはお別れです。果物はさておき、日常の食事に欠かせない新鮮な野菜類を冬の時期に摂るのは難しいこと。そのため冬が厳しいハンガリーでは、生活の知恵として夏の間にせっせと野菜類を保存食にします。その代表例が酢漬け、いわゆるピクルスです。

地方に住んでいる人たちは自宅の庭で採れた野菜を中心に、また都市部在住者は夏の陽をたっぷりと浴びた野菜を市場で大量購入して自宅で冬の備蓄用に酢漬けをつくります。また、そのためだけにブダペスト郊外に家庭菜園をする場所を借りて大量の量の保存食をつくる人もいます。

「今年はトマト100キロを煮込んで瓶詰めにして、更に50キロのピクルスをつくったよ」とは馴染みの弁護士一家の話。いつもは堅いスーツを着ている弁護士が泥だらけになって野菜を収穫している姿を想像すると思わず苦笑してしまいます。

この酢漬け、いろいろな野菜が使われていて一見見ただけではなんだかわからないものもあります。例えばパティソンと呼ばれる星型UFOみたいな形をした瓜系の野菜、極小スイカや極小メロンなど、味見をしなくても見ているだけでも楽しくなります。

家庭でつくられる保存食はある程度限られていますが、市場の地下の酢漬け売り場ではカラフルな野菜の酢漬けを水槽の金魚のように瓶越しに眺めることができます。

勿論、ハンガリーの代名詞であるパプリカの種類も豊富です。形になぞられてリンゴパプリカ(アルマパプリカ)、サクランボパプリカ(チェレスニェパプリカ)などと呼ばれる辛口のパプリカをはじめ、中をくりぬいて刻みキャベツやニンニクを詰めたパプリカなどが高い人気を誇っています。

一番簡単な保存食の作り方を紹介しますと、瓶の中にピクルス(小さい胡瓜)と水を入れてパンを放り込んで軽く蓋をして日光に当てるだけ。パンの酵母で発酵させて日本の糠漬けのような臭みを帯びます。まだやわらかい日が当たる夏の終わりや秋口に家の庭先やアパートの廊下などでこの奇妙な瓶詰めを見かけることがよくあります。

では冬の間、この野菜類の保存食を台所でどのように活用しているのでしょうか?

肉料理の付け合せや口直しとしてそのまま別皿に盛られることも多いのですが、家庭の数だけ料理の仕方があるといわれるほど、どこの家でもそのお母さんの味があるトルトット・カーポスタと呼ばれるロールキャベツが代表になります。豚のひき肉と米と香辛料を混ぜて団子にしてそれに酢漬けのキャベツをひとつずつ巻き、更に千切りの酢漬けキャベツとソーセージなどと共に煮込んで仕上げにサワークリームをたっぷりと添えます。

夏の恵みをたっぷりと吸収した野菜でつくった冬の料理でこれからの季節、寒さを乗り越えていくのでしょうね。

画像上右:キャベツ丸ごとの酢漬け
画像上左:色とりどりの酢漬け
画像中右:冷菜とあわせた漬物
画像中左:店頭に並ぶサクランボパプリカ(チェレスニェパプリカ)
画像下右:酢漬けキャベツをふんだんに使ったトルトット・カーポスタ
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【短信】連日、ぐずつきがちな空模様で真冬のように一日の気温差が余りありません。日中も10℃を下回り、刻一刻と冬が近付いています。(10/25)


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