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ブダペスト市民が心待ちにしていた街の中心地エリザベート広場に位置する公園の改修工事。とうとう今秋に終了しました。ショベルカーが去り、立ち入り禁止の柵が取り払われた翌日から、早速多くの人が利用し始めた憩いの公園。ブダペスト市で最もモダンな公園の一つになったと、広場が位置する5番地区は誇らしげです。それもそのはず。改修作業の費用に当初は6億5千万フォリント(4億円弱)の予算が立てられ、最終的に8億2千万フォリント(5億円弱)が費やされました。
改修前も、立派な彫刻が施された噴水が人々の心を癒し、土日には子供達のためのイベントが開催されるような市民と密接した公園でしたが、夜には浮浪者が寝泊りするなど余り雰囲気が良くない面もありました。8月のF-1開催時にはフェラーリ・チームの定宿となるケンピンスキーホテル、今年6月にブッシュ米大統領が訪れた際に宿泊先となったメリディアンホテル、英国大使館などが隣接する一等地のため、改修が声高に言われていました。
以前よりオープンな空間に生まれ変わった公園は、老木の伐採と42本の若い木の植林がなされました。また、ミニサッカー・コートとバスケット・コート、EU安全基準に即した子供のためのグランドなどが整備されました。模様替えは大成功したと言えるでしょう。
改修工事が着手されたのは今年の春。9月には何とか終了させたいという悲願の元、何とか期間までにこぎつけました。というのは、ハンガリーでは工事主とのいざこざ、困難な資金調達、契約破棄などで遅延や頓挫が頻繁に起こるのです。歴史的建築物の周りが足場とネットに囲まれたまま、数年間野ざらしになるのは珍しいことではないのです。国賓の目に必ず留まる一等地であろうと、公的機関であろうと例外ではありません。実は、数年前まで国内外へ行くバスの発着所として使用されていたエリザベート広場の半分が、その一番良い例なのです。
バス発着所に国立劇場の建築が企画され、発着所は街の中心部より離れたところに移動しました。ところが劇場建築は待てど暮らせど一向に着手されず。ようやく地下が掘りおこされ、周囲に相当の交通不便が強いられた後に建築が中断。劇場建設の計画自体がお流れとなってしまいました。最終的に劇場は中心街から離れた別の地区で完成され、5番地区の面目は丸つぶれ。
他の野ざらしになっている歴史的建築物と同様に手付かずの状態がしばらく続いた後、元バス発着所は噴水やベンチが備え付けられたオープン・スペースと変身し、日光浴を楽しむ老若男女で賑わう場所となりました。
さて、公園部の工事が無事に完了し、市民に開放されたのは秋が深まる頃。毎日子供たちが砂場や滑り台で楽しみ、連日コート内では大人と子供が混じってバスケットボールに熱中しています。来年の春には花壇の花が咲き乱れ、鳥のさえずりが聞えてくることでしょう。
残念なことがひとつ。11月になって、とうとう犬の立ち入りが禁止となってしまいました。原因は、ブダペストの公共問題のひとつでもある犬の糞尿。ブダペストでは飼い犬の落とした糞を拾う飼い主が非常に少なく、糞の始末をしてもらおうと政府が大々的にキャンペーンを打ち出した程です。
市内のあらゆる芝生は犬のトイレどころとして利用されてしまうため、殆どの公園が犬の立ち入りを禁止しています。改修前のエリザベート広場の公園も、芝生内の犬の立ち入りは禁止でした。そのためか、改修後の公園には犬を綱なしで遊ばせることのできる金網に囲まれたスペース、ドッグランがわざわざ用意されました。それにもかかわらず、日本と比べると公共性に少々欠ける多くのハンガリー人の飼い主がドッグランを利用せずに芝生の上で綱なしで犬を放し、糞をさせていたのです。折角のドッグランは常に繁盛しているバスケット・コートとは異なり閑古鳥が鳴いていました。市の堪忍袋の緒が切れたのか、ついに公園入口には「犬だめマーク」の看板が立てられてしまいました。
余談になりますが、10月に行われた地方選で落選してしまった5番地区の前区長は大の犬好きとして知られていました。昨年に引き続き今春、区長主催による「4本足動物」と銘打った催事が犬立ち入り禁止の芝生部分で催されました。警察犬のデモンストレーションやアジリティー(障害物競争)ショーで催事は盛り上がり、前区長は大型の愛犬をつれてきて挨拶までしました。
市民がモラルを持って公共施設を利用しないことには次にいかなる制約ができても不思議はありません。きれいに化粧直しが施された共有のスペース、大切に守っていきたいものです。
画像右上:修後の公園
画像左上:公園内の噴水
画像右中:公園内の砂場と滑り台
画像左中:元バス発着場跡地に建設されたオープン・スペース
画像右下:犬立ち入り禁止の看板
画像左下:ドッグラン
【短信】先月に起こったデモは鎮静化しました。厳戒態勢がとられていた国会議事堂周辺も落ち着きを取り戻しました。他国にハンガリーの恥をさらしてしまったと感じている国民も多くいます。(11/23)
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