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6月16日から学校は夏休みに入り、各地で子供向けの催し物が開催されています。以前に比べて主催者の宣伝もうまくなり、一般情報誌は連日催し物の企画が満載です。しかし子供だけではなく、大人も青空の元で楽しまなくてはなりません。初夏から晩秋にかけて全国各地で展開されるワイン・フェスティバルは、お酒通にとっても、アルコールをちょっとたしなむ程度の人にとっても満足のゆく娯楽になります。
日本で知られているハンガリーワインといえば「王様のワイン、ワインの王様」とフランスのルイ14世をいわしめた世界3大貴腐ワインのひとつトカイ(干葡萄状になった糖度の高い葡萄を使ったワイン)。干し果物や蜂蜜、チョコレートなどの深い香りを伴った上品な甘さの中に程よい酸味がバランスよく保たれ、甘口なのに合う料理の幅が広いことも特徴のひとつです。
また「雄牛の血」と呼ばれるエグリビカヴェール。16世紀に迫ってきたトルコ軍を蹴散らそうと、武将が部下に振舞ったブレンドの赤ワイン。雄牛の血のような飲み物にがぶりつくハンガリー兵士を見たトルコ兵が恐れおののいたという逸話から、その名誉ある名を今でも継いでいます。
しかしこれらの有名ブランドだけではなく、日本ではまだ知られていない国際コンクールで受賞しているワインも数多く一堂に出展されます。そんな良質のワインを色々と試してみたいという方にはうってつけの催し物。また高級ワインを一杯だけ堪能したり、同じ葡萄種でも違うメーカーのワインを飲み比べてみることができるのが、このお祭りの最大の魅力です。
ワイン生産地として有名な町や村が野外の特設会場でブースを設置し、ワインメーカーや個人的なワイン蔵、レストランやワイン専門店からの出展を全国から応募します。入り口でワイングラスと試飲用のチケットを購入し、お気に入りや試飲をしてみたいメーカーのブースでワインをグラスに注いでもらいます。それぞれのワインによってチケットの枚数が定められています。
今回はブダペスト市内にある英雄広場に隣接する市民公園で、3日間行われたフェスティバルに足を運びました。各ブースでは既に適度に酔いがまわってご機嫌なワイン愛好家と思しき輩が、醸造専門家に対抗して自らのワイン知識をご披露中。
試飲目的が「テイスティング」となると飲むためだけの一杯の量では多いので、色や香りを確かめられる程度に各種を注文することも可能です。日本のお酒事情などを披露しながら杯を交わし出展者とゆっくりと談義していると、営業トークだけではない業界裏事情や彼らの本当の好みを聞きだすことができます。
またマイ・グラスを持参する人もいます。別のワイン・フェスティバルのロゴが入ったグラスを傾けている人、またシェリー酒用の平たいグラスに白ワインをちょっとだけ注いでもらっているおばあさんもいました。あるトカイ・ワインメーカーのブースでは、よぼよぼのおじいさんが鞄から物々しげに包みを取り出し、出展者に質問を投げかけています。ビンテージ物と思しきトカイワインが市場ではいかほどになるのかとのこと。余程のお宝だったのでしょうか、五千円ほどの価格と言われ、がっくりと肩を落としていました。
肝臓をしばらく休めたい時には、特設舞台で繰り広げられる音楽隊や民俗舞踊ショーを眺めるのも乙なもの。空っ腹では酔いが早く回りますので、ハンガリー産ソーセージのバーベキューやチキンロースでお腹を満たしましょう。
夕方近くになり、さらに人出が多くなってきました。日の入りは9時頃。参加者全員がワインでご機嫌なこのお祭りは、夜中まで続きます。舞台でショーを取りまとめている司会者からは、「今日車で来た人はお家に帰れませんね」とのジョークが。お祭り開催日初日まで一週間近くも続いていた雨に、興行主や出展者は勿論のこと、多くのワイン愛好家が気をもんでいたことでしょう。暑すぎず、心地よい風がそよいでいたのは奇跡のようでした。
画像右上:舞台のジプシー演奏
画像左上:ワインメーカー出展者のブース
画像右下:最高クラスのトカイワイン・エッセンツィア(20mlで2200円)
画像左下:出展者とワイン通
【短信】此処のところは25℃前後と割と過ごし易くなりましたが、今月は35℃超の天気が続いたかと思えば、晴天にも拘らず急激に気温が下がり、日中15℃未満になったりと、気温の乱高下が激しいです。(6/20)
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