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イスラム教徒が9割を占める現代エジプトでは、お酒はあまり飲まれていません。イスラム教では飲酒は禁止されています。しかし、キリスト教徒もいますので、お酒を手にいれることはできます。ただし、日本のようにスーパーや食料品店で簡単に手に入りません。外国人が利用するホテルやレストラン、ライセンスを持った酒屋でしか売ることができないからです。
最近では、品質も安定してきましたが、10数年前には気の抜けたビール、澱(おり)の浮いたワインなども珍しいものではありませんでした。また銘柄もビールなら「ステラ」、ワインなら「オベリスク」ぐらいしかなったのですが、最近ではビールもワインもいろんな銘柄がでてきました。
ビールもアルコール分10%なんていうのもでてきました。ワインも赤、白、ロゼに加え、スパークリングワイン「アイーダ」も登場。ワイン通の方には物足りないようですが、意外と飲みやすいといった声が多いです。ビールでは「サッカラ」「マイスター」「ルクソール」、ワインでは「グランマルキス」「プトレミー」「オマルハイヤーム」「シェハラザード」などがあります。
輸入物のお酒もありますが、関税が高いためかなり高価になります。高級レストランなどは置いてますが、ワインやウィスキーのボトル一本が10,000〜20,000円となります。ちなみに国内物だとビールが400円から600円。ワイン1本1,500円から2,000円ちょっとぐらいです。もちろん酒屋で買うと、何分の一かの値段ですが・・・現代エジプトでは飲酒禁止のイスラム教徒がほとんどなので、街中で酔っ払っている人や飲酒運転というのはほとんど見られません。キリスト教徒でもそういったことは慎んでいます。
しかし、古代エジプトでは、人々はお酒を飲んでいました。古代の記録では、労働者達はビールを飲み、高貴な人々はというとワインを飲んでいたようです。ピラミッド作りをしていた労働者達の町・墓が発見されていますが、ここからは彼らの出勤簿に二日酔いで仕事を休んだなどという記載も残っているほど。古代の時代には、労働に対する給料というのはお金ではなく、パンやビールなどの食料、日用品が支給されました。このビール、今のようなホップのきいたものではなく、パンを水に浸して、そこにナツメヤシなどの酵母を入れて作ったドロッとしたビールだったということです。
実はビールはエジプトが原産なのです。数年前に日本のビール会社が古代ビールを再現して作っていましたが、製品として売ることはむずかしかったようです。ドロッとしたビールおいしくないですよね。しかし、昨年(2007年)、京都大学と早稲田大学の共同開発で、古代からエジプトで栽培されてきたエンマー小麦を使用したビール「ホワイトナイル」、デュラム小麦を使用したビール「ブルーナイル」を製造・販売しているとのことです。
そして、古代にはワインも飲まれていました。ワインはエジプトが原産ではなくシリアなどの北の国から入ってきていたようです。ルクソールにある貴族の墓(ナクトの墓)には、このワイン作りをしている人々の壁画が描かれています。そしてこのワインはアンフォラという壷(両側に把手が付き、肩の部分に最大径を持つ)に入れられて保存されました。その壷には泥封がしてあり、製造地・製造年などが記されていました。つまり今で言うヴィンテージのようなものが記載されていたわけなのです。
あのツタンカーメンの墓からも30以上のワインの壷、またぶどうの実なども発見されており、カイロの考古学博物館に展示してあります。ぶどうは主に北のデルタ地帯で栽培され、赤ぶどうが主流だったようですが、最近の研究の結果、白ぶどうも栽培されていたようです。このように実はエジプトのお酒の歴史はとっても古いものだったのです。
画像上:酒屋の「Drinkies」
画像中:右側がビールの定番「Stella(ステラ)」、左側が8%と高アルコール度のビール「Mister(マイスター)」
画像下:エジプト産ワイン大集合! |