■1年に2回のアブシンベル・サンフェスティバル 2007.11.20 update

先日、初めてアブシンベルのサンフェスティバルに行く機会を得ました。どういうお祭りかというと、簡単に言えば、エジプトの最南端にあるアブシンベル大神殿の中の像に朝日があたるというものです。ラムセス2世が建てた、この大神殿の一番奥に「至聖所」という部屋があります。この至聖所には、左からプタハ神、アメン・ラー神、ラムセス2世、ラーホルアクティ神と四体の像が安置されていて、2月22日と10月22日にだけ、朝日が差し込んでプタハ神以外の像を照らすのです。プタハ神は冥界の神様なので、朝日があたらないようになっています。

もともとは10月21日だったのですが、アスワンハイダム建設に伴ってできた人工湖、ナセル湖に水没するのを防ぐために大神殿が移築されたことで、朝日の差し込む日が一日ずれてしまいました。毎年、像に朝日があたる瞬間を見るために、何千人もの人々が世界中から訪れます。多い時だと7千人、今回は4千人ぐらいだったと聞いています。

しかし、この現象はたった10分程なので、実際に神殿の中でその一瞬を見ることができる人は限られています。つまり早いもの勝ちということです。早くから入口で並んで待つわけです。今回は3時すぎぐらいに入口がオープンして中に入り、神殿の中で待つこと約2時間。蒸し暑いわ、お尻は痛くなるわ、眠いわでとっても疲れました。

警備の人たちはロープを張ってずっと立ったままで辛そうでした(人柱ロープとでも言ったらいいでしょうか)。時間になると、神殿内の灯りが消え、全体に緊張感がみなぎります。そして順番に至聖所の前を、太陽の光をさえぎらないように低い姿勢で移動していきます。神殿内は写真撮影禁止です(ということで、ここで写真をお見せできないのは残念です!)。本当に一瞬ですが、話にきいていた現象を、実際にこの目でみることができたのは感動です。

神殿内に入れなかった人のために、建物の外にはスクリーンが用意され朝日があたっている様子を放映していたようです。外に出ると長蛇の列、また踊ったり歌ったりしている人たちがいて、実際に見なくてもこのお祭りの雰囲気を楽しんでいる人々であふれていました。でも、あまりにもの人だかりであきらめて帰っていった人達もたくさんいたようです。今回一番乗りは、中国人グループで、1時半ぐらいにホテルを出て並んだそうです。日本人もほとんどのグループが見ることができたようです。

まだ今は寒くないのでいいですが、2月の方は神殿内に入れず外で待つとなると寒くて凍えてしまいます。朝晩の気温は10℃以下に下がりますから、考えただけでぞっとします。それでもまた来年の2月もきっともっと多くの観光客が、この一瞬を見るために訪れるのでしょう。

画像上:アブシンベル大神殿から出るとこの人だかり。
画像中:光の祭典が終わっても、まだ神殿に入る人達の長蛇の列。
画像下:普段は静かなアブシンベル大神殿。神殿の正面は4体のラムセス二世像で飾られている。


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