■砂嵐の季節がやって来た! 2007.4.24 update

毎年3月の終わりから5月の初め頃にかけて、砂嵐の時期がおとずれます。この時期にずっと砂嵐が来るわけではなく、他の時期に比べると砂嵐が起こる確率が高いといったものです。これがだいたい50日間続くということで、アラビア語の「50」という言葉、「ハムシーン」と呼ばれています。年によっては、強烈な砂嵐が来るときもありますし、あんまり来ない時もあります。もちろんこれ以外の時期、真冬の1月や真夏の7月にも砂嵐は来ます。私自身、7月にアブシンベルで砂嵐にあったこともあります。

先日、日本でも黄砂が飛んできて、空が黄色くなったというニュースをみましたが、エジプトの場合、そんなもんではありません。嵐のような強風が吹き、視界がなくなります。髪は砂で手串も通らないくらいバサバサになり、耳にまで砂が入ってきます。周りからいろんなものが飛んできて危険です。台風の雨が砂になったのを想像してもらえばいいかもしれません。ピラミッドの近くなどにいるとたまったもんではありません。砂があたって痛いです。

視界がなくなるので飛行機の着陸もできなくなり、空港が閉鎖になります。この場合、観光客は視界が戻るまで何時間も空港で待つか、バスで移動することになります。以前、アスワンとアブシンベルの空港が閉鎖になり、バスで移動したことがあります。砂嵐の中をバスが走っていくわけですから、砂が窓を襲い、バスも蛇行しながら走っていくという、ちょっと怖い経験でした。

あまりに風が強く、危険な場合は道路が閉鎖される場合もあります。このハムシーンは熱帯モンスーンの一種で、サハラ砂漠の少ない水分を、気温の上昇で発生した低気圧が吸い上げ、砂塵とともに上空高く吹き上げたものが、地上を襲うというものだそうですので、この砂嵐が吹くときは気温が上ります。なんか生暖かい感じになります。そしてみるみるうちに、空が黄色くなってきます。何回か砂嵐を経験していると、なんとなく来るなというのがわかるようになります。

しかしながら、本当に一瞬のうちに来る場合もあります。以前、いいお天気だったのに、お店に入っている間に急に砂嵐になり、しばらく出られなくなったことがあります。そしてしばらくすると、いいお天気にもどりました。しかしある時には、3日間ほど風もないのに、ずっと砂が舞っているような変な空の状態が続いたこともあります。このように砂嵐を経験すると、砂漠の国に住んでいるんだなあということを実感します。

エジプトの面積は100万平方キロメートルと、日本も約2.65倍ありますが、その約9割は砂漠です。飛行機に乗って、上空から見るとそれがよくわかります。海に囲まれた島国に住んでいる我々日本人にとっては、とっても不思議な景色です。カイロから3時間ほど西南に車を走らせると、砂漠の雄大な景色を見ることができます。とってもきれいな景色です。しかしこの砂漠、昼は50℃を越える暑さとなり、夜は0℃ぐらいまで下がるという温度差の激しい気候で、一旦砂嵐が来ると、おそろしい怪物と化すわけです。大自然の力ってすごいなあなどと思っているうちに、「ハムシーン」の時期が終わると、暑〜い夏が訪れます。今年もまた、エジプトの暑い夏がもうそこまで来ているようです。


画像説明文
左の画像は普段の景色。一旦、砂嵐がやってくると、右のように向こうのビルも見えない状態になってしまう。


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