■4千万年前の化石がエジプトに! 2007.3.20 update

先日クジラの化石を見てきました。エジプトというと遺跡ですが、実は化石も見つかっています。ワーディ・エル・ヒタンという場所にあるのですが、ここは2005年に南アフリカのダーバンで行われた世界遺産委員会で登録された自然遺産で、アラビア語で「クジラの谷」という意味で、クジラの祖先のバシロザウルスの化石があります。エジプトでは7番目の世界遺産となります。

ここはカイロから約150km南西にあり、3時間程で行けます。途中ファイユームという農業・漁業の盛んな町とカルーン湖沿いを通り、ワーディ・ライヤーンというところまで行きます。そこにも湖が2つあり、第1湖と第2湖と名づけられ、その間にはエジプトで唯一の滝もあります。日本人にとって滝は別にめずらしくはないのですが、エジプト人にとってはこの滝がとってもめずらしく、休みの日にはここまでこの滝を見に来る人もたくさんいます。そして夏にはこの辺りは泳ぎにくる人々で賑わいます。現在「クジラの谷」までの砂漠道路は整えられているので、普通車でも行けますが、4WDの方が良いでしょう。

この「くじらの谷」は、1989年に保護地区に指定されており、エリア内のものは一切持ち出し禁止となっています。エリア内に入る手前に砂丘やアル・ムダワラと言って、見晴らしのいい山があり、そこにたくさんの貨幣石の化石があります。これは有孔虫の化石で、貨幣に似ているのでこのような名前が付けられています。これは持って帰ってもOKです。

そして駐車場で車を降り、そこからはハイキングとなります。最近まで車で回ることができたのですが、エリア保護のためということで車の乗り入れが禁止されました。以前は8人乗りくらいのラクダ車もいたのですが、斜面を登るのは危ないとのことで廃止になったらしいです。エリア内は、化石の有る場所をつなぐ道が小さな石をおいて作られていて、この道をずっと歩いていきます。だいたい2時間くらいで主な化石を見てまわることができます。

ここにある化石は、メインのバシロザウルス・イシスの背骨の化石、マングローブの化石、珪化木の化石などがあります。「バシロザウルス」というのはトカゲの王様という意味で、最初に発見されたときトガゲの化石と間違われたことからきています。全長が20mくらいあり、水かきのついた5本指の前足を持っていたらしです。頭の骨のついた化石も見つかっていますが、これは現在研究調査の為、アメリカに持っていかれています。ここには背骨の化石しか見ることはできません。これらの化石からこの場所は4万年前には海だったことがわかっています。そしてそれが埋もれずに、そのまま見つかっていることがめずらしいということで、世界遺産になったわけです。

エジプトでは4千年前の遺跡はたくさん残っていますが、それに「万」がついて4千万年前のものが見られるわけです。しかし何より、ここの砂漠の景色が素晴らしいのです。もちろんバハレイヤや、シーワなどもっと奥に行けばきれいな砂漠の景色が見られますが、カイロからたった3時間ほどで砂漠のパノラマの景色が見られるという点では、なかなかおすすめの場所です。

画像上:エジプト唯一の滝
画像中:クジラの祖先、バシロザウルスの背骨の化石
画像下:砂漠のパノラマ


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