| ■エジプト人の中のヌビア人 |
2007.1.16 update |
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先日ヌビア人の村を訪ねる機会がありました。エジプトには、国籍はエジプト人だが民族的には「ヌビア人」という人々がいます。彼らは、浅黒いが、アフリカ人とは違った感じの精悍な顔つきをしています。現在ヌビア人の人口は100万人ほどと言われています。アスワンからスーダンにかけての南の地域に集落を成して住んでいましたが、アスワンハイダムが建設され、ナセル湖という人口の湖ができたことにより、彼らの村々は水没してしまいました。そこで現在アスワン以北やスーダン国境近くのエジプト最南部のナイル川流域に移住して農業を営み生活しています。
ヌビアという言葉は、かつて金がとれたことから金を意味する古代エジプト語からきているといわれています。彼らは、独特の文化を持っています。まず言葉ですが、エジプト人が話しているアラビア語も話しますが、彼らの間では、ヌビア語という言葉が使われています。このヌビア語は文字を持たない言語なのです。ですから、子供が生まれると、みんなでヌビア語で話しかけてこの言葉を覚えさせます。学校などでは教えられていないので、こうやって自分達の言葉が途絶えないようにしています。ヌビア人以外の人と話をするときにはアラビア語を使っていますが、ヌビア人同士で話すときにはヌビア語を使っています。まったくアラビア語とは違う言葉で、他のエジプト人には理解できません。
また、彼らには、独自の音楽があります。タンバリンのような太鼓でリズムを取り、陽気に歌って踊ります。女性は黒いガラベーヤという衣装やスカーフをまとい、男性は白いガラベーヤを着ている人が多く見られます。彼らの村に行くと、そこら辺で家畜が戯れ、子供たちが元気よく遊んでいる姿が見られます。どちらかというと貧しい印象を受けますが、そこには暗さはなく人々の目は澄んで生き生きしているように思えます。ヌビア人は比較的温厚で、人懐っこいですが、自分たちがヌビア人であるという誇りを持っていると思います。
家は日乾しレンガなどで造られていることが多く、造りは簡単ですが、各家はカラフルに色が塗られています。私がお邪魔したお宅では、子供のワニを飼っていました。もう少し大きくなったら茹でて食べるそうです。昔はナイル川にワニが生息していましたが、今ではナセル湖以南でないといないようです。
彼等は、小船を作る技術を持ちファルーカと呼ばれる帆掛け舟を作り観光客を乗せて遊覧したり、ヌビアの民芸品を作り観光地で売ったりして、観光客相手に商売をしている人々も増えています。これにより経済的に豊かになった人が増えてきましたが、本来のヌビア人の素朴さが失われつつあるようで残念な気がします。いつまでも自分たちの文化・気質を失わないで守っていってほしいものです。
画像上:ヌビア村の様子
画像中:ファルーカで魚が採れ笑顔のヌビア人船頭
画像下:絵が描かれたヌビアの家 |