|
最近、買い物に行くと、日本語の書かれた商品を見ることが時々あります。Tシャツやセーターなどに漢字やひらがな、カタカナが書かれています。ヨーロッパで漢字やひらがななどが、文字としてではなくデザインの一つとして流行している影響なのでしょう。ヨーロッパ人の観光客なんかも、時々日本語の書いたTシャツを着ている人を見かけます。
家庭用品などにも、日本語が書かれているものを結構見かけます。しかし、中国などで製造されたものが多いのか、奇妙な日本語や不適切な説明のものがたくさんあります。先日も化粧ブラシに「乾燥がち、目もとを守る透明ジェル」と書かれていました。きっと間違って製造されたものが安く売られて輸入されてるのでしょう。また「水虫」と書いたTシャツを着た人を見かけたことも有ります。エジプト人には、何が書いてあるかわかりませんから。
しかしながら、エジプトでは意外に日本語のわかる人がいます。うかうかと日本語で悪口は言えません。エジプトは観光国なので各言語の教育に力をいれています。もちろん英語やフランス語、ドイツ語、イタリア語などが主流ですが、日本語学科を置いている大学も増えてきました。現在は、カイロ大学、ヘルワン大学、アインシャムス大学、アレキサンドリア大学などに、日本語学科があります。また日本大使館に併設されている文化センターで日本語のコースを受講することができます。
日本語を勉強した人達の多くは、日本語の観光ガイドになるようです。先日は、エジプト航空の機内で、カイロ大学の日本語学科で勉強したという乗務員に会いました。また、パピルス屋などのみやげ物屋で働いている人たちもいます。エジプトで、観光ガイドになるには、各語学を勉強した後、ヘルワン大学で2年間観光の勉強をします。そして試験に受かるとガイドのライセンスがもらえます。
現在、こういったガイドのライセンスの管理はヘルワン大学が執り行っています。もしヘルワン大学で日本語を勉強した場合は、大学在学の4年間だけでライセンスがもらえます。ライセンスの有効期間は5年で、5年が過ぎるとまた講習と試験を受けて更新する必要があります。20年程前までは、少なかった日本語ガイドも現在は100人以上もいます。ベテランの優秀なガイドになると、本当に自然な日本語を話しています。そして驚くとこに、ほとんどの人が日本に住んだことがないのです。
また、みやげ物屋の売り子ですら、日本人から聞いた言葉をよく覚えて、観光客に話しかけています。スークなどに行くと、「バザールでござーる」とか、「もうかりまっか、ぼちぼちでんな」とか、中には最近の日本のギャグなんかを連発する売り子もいます。もちろん日本語が話せるわけではないですが、なかなかよく覚えているんです。
これは、我々日本人は日本語の構造上、視覚から入るのに比べて、エジプト人は聴覚から入ります。これはアラビア語自体が、話し言葉(アンミーヤといいます)は文字をもたず、聴覚から入るため、言語に対する耳がいいのでしょう。それに比べ、現地で生活しているにもかかわらず、なかなかアラビア語が上達しない自分がもどかしくなります。もしかしたら、ちゃんと学校で勉強しているエジプト人の日本語は、今の日本人が実際に使っている日本語より、上手かもしれません。
先日、日本語衛星放送の番組で、携帯やパソコンの普及により、漢字の読み書きができなくなってきた若者達というテーマを取り上げていました。また敬語や尊敬語なども正しく使えていないといいます。外国人に笑われないよう、今一度日本語を見直す必要があるのかもしれません。
画像上:意味不明な日本語の書かれたトレーナー
画像下:いろんな国の言葉が行き交う観光地
|