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日本でも今年は選挙で話題沸騰のようですが、エジプトでも9月7日大統領選挙が行われました。今年初めて複数候補者による選挙が行われました。エジプト中、この話題でもちきりです。
まず、エジプトの近代政治の歩みですが、1952年「自由将校団」によるクーデターで、エジプトの王制は廃止され、共和制が開始されました。初代大統領は、ナギーブ大統領。しかし、すぐにナセル大統領に。スエズ運河を国営化、アスワンハイダムの建設など数々の功績を残したが1971年過労により亡くなり、サダト大統領が後を継ぎました。
1978年、キャンプデービッドでイスラエルとの平和条約の合意、翌年、条約を結び、それによってアラブ諸国から反感を買い、1981年にイスラム原理主義派によって暗殺されました。そして当時、副大統領であった現大統領のムバラク氏が後を継ぎ、現在に至るわけです。今年で24年にも及び、同一大統領による政治が行われてきたことになります。
エジプトの政治体制は、大統領を国家元首とする立憲共和制で、大統領の任期は6年。日本でいう国会にあたる人民議会というのがあり、これは一院制で、大統領が任命する10人と直接選挙による444人の計454人が定員で、任期は5年です。現在は、与党である国民民主党が9割以上を占めています。今までの選挙では、アメリカなどのように複数の候補者から大統領を選ぶといったものではなく、人民議会から指名された人が国民投票によって信任か不信任かを選挙するといった形でした。それが今回は、複数候補による選挙となりました。
この選挙制度改正は国民投票で決定したのですが、投票率は1割以下だったと聞いています。投票会場すら知らない人々がほとんどだったようです。こんな状況ではあるものの、選挙制度が変わりました。そして、物価の上昇などの経済状況の悪化に対して不満をもつ人々は、同一の統治者による政治がよくないということで、今年に入って「キファーヤ運動」(キファーヤとはアラビア語で「もう十分」という意)を起こし、デモなどもよく行われていました。
大統領候補希望者は22人いて、その中から10人が選考されました。選挙運動に関して日本と違う点は、日本のように選挙カーで街を回ったり、街頭での演説というのはありません。テレビ、新聞などのメディアでの活動が主となります。しかし、今回目にするのはほとんどムバラク現大統領ばかりでした。町のあちこちに大統領の写真の大きな看板が立ち並び、どこを見てもムバラク、ムバラクといった様子。そして知り合いのエジプト人たちは、誰もが大統領はムバラクになると言い切っていました。形ばかりの複数候補による選挙という感は否めません。
また、投票に関して日本と違う点としておもしろいのは、日本では投票用紙に名前を記入するわけですが、非識字率の高いエジプトでは、各候補者にそれぞれシンボルがあって、そのシンボルが紙に書かれていて、投票したい候補者のシンボルにしるしをつけるという形だそうです。
選挙当日、エジプトの国営放送では終日選挙の番組を放送し、あるチャンネルでは選挙のために作られた歌のビデオクリップも繰り返し流れていました。その歌の内容は、自分たちで世界を作っていこう、みんなにその責任があるみたいなものでした。この原稿をみなさんが目にされる頃には、結果はでていると思いますが、たぶんムバラク大統領が再選されるでしょう(*)。果たしてエジプトの政治、この選挙により何か変わる点はあるのでしょうか。
画像上:街頭でたくさん見かけるムバラク大統領の看板
画像下:TVに映る今回の選挙のシンボルマーク
(*)9月7日投票されたエジプト初の複数候補による大統領選挙は、9日夜(日本時間10日未明)、開票結果が発表され、現職のムバラク大統領(77歳)が圧勝した。なお、投票率は23%にとどまった。-World Bazaar21事務局-
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