■動物医療、日本との違い 2005.6.20 update

先日、かわいがっていたペットのウサギが病気で亡くなりました。その時、エジプトと日本の動物医療の違いを実感したので、今月はそれについて書いてみようと思います。

まずエジプトでペットというと、猫が主流。あと小鳥を飼ってる人もいます。犬はイスラム教では、不浄のものとされているので、嫌がる人が多いですが、キリスト教徒や一部のイスラム教徒の間では飼われています。そしてウサギはというと、食用なのでペットという意識はありません。鶏屋さんで、鶏と一緒に売られています(どちらも生きたのを、その場で絞めてくれるわけです)。

以前に、エジプト人の仕事仲間が、「娘がウサギを飼いたいっていうから飼ってたけど、世話が面倒だから食べちゃったわ!」と平気で言っててびっくりしました。ですからウサギをペットとして飼ってるというと、とてもめずらしがられたものです。みんな、からかって「モロヘイヤと一緒に食べるとおいしいぞ!」とか、「いい出汁でそう・・・」などと、よく言われました。

こんな状況なので、日本のようにウサギ用のペットグッズなどあるはずもなく、日本から持って帰ったりして苦労しました。日本に帰る度に、日本のウサギさん達って恵まれてるなあと、うらやましく思ったものです。ただ、ちょっと過保護かなという気はしましたが。日本のウサギさんより恵まれてたところといえば、ウサギ用の広い部屋が一部屋あって、そこで飼ってあげられたこと。いつもおやつにメロンを食べさせてあげられたことくらいでしょうか。でも、エジプト中のウサギの中で一番幸せだったと思っています。

一番心配していたのは、病気になったときのことです。とても丈夫なコだったので、安心していたのですが、病気はある日突然やってきました。食欲がなく、動きも変なので、以前風邪をひいたときにお世話になった、獣医さんのところへ連れて行きました。ウサギを獣医さんのところへ連れていく人もいないので、やはりウサギに対する簡単な知識しかない様子。結局何の病気がわからないまま、抗生物質を打って様子をみることになったのですが、日々弱っていき、5日間の入院の後、亡くなってしまいました。

獣医さんもいろいろ誠意はつくしてくれたのですが・・・日本の動物病院の設備や医療の技術があれば、助かっていたかもと悔やまれましたが、ここはエジプト、仕方のないことなのでしょう。衛生、医療器機、知識、技術、いろいろな面で遅れています。ですから犬や猫に関してもちゃんとした治療を受けられるかどうかは疑問です。人間の病院ですら、設備の整った病院は足りないのに、動物まではまだまだといったところでしょうか。

ペットが亡くなると、日本ではペット用のお葬式やお墓まであるということですが、エジプトにはそのようなものは一切ありません。うちのウサギは病院の庭に埋めてもらいました。持って帰るかと聞かれたのですが持って帰ってもどうしようもないし。ちなみに古代エジプトでは、王はライオンや猫やワニなどのペットを飼っていて、亡くなるとミイラにして手厚く葬りました。そういった動物のミイラは王家の谷のお墓などから見つかってます。遺跡から発掘されて捨てられた動物のミイラを持っている人がいるとのことです。獣医さんから動物のミイラが欲しかったら簡単に手に入ると聞き、びっくりしました。

さて、まわりのエジプト人達に、うちのウサギが亡くなったことを話したときの反応ですが、もちろんかわいそうにと真剣に一緒に悲しんでくれた人もいますが、笑ってた人もいます。その一人であるうちのアパートの門番さんは、笑いながら「市場に行ったらいっぱいいるじゃないか」って。まあ、日本で鶏が死んだからといって泣く人は少ないのと同じでしょうか。

今の日本のペット医療、産業、本当にすごいです。最新の医療設備、ペットに関する本、ペットフードからペットグッズ、服に至るまであらゆるものが揃っています。こんな豊かな状況の中で生活できるペット達は、本当に幸せだと思います。しかしその反面で捨て犬、猫達も増えていると聞きます。せっかく幸せにしてやれる環境にあるわけですから、ぜひ責任を持ってたくさんの動物たちを幸せにしてあげてほしいと思います。エジプトにはたくさんの猫や犬のストリートチルドレン達がいるわけですが、早くこういった動物たちにもみんなが目をむけられるような、余裕のある生活が、エジプト国民に訪れ、そしてエジプトにおける動物の医療も、もっともっと進歩してほしいものです。

画像上:動物病院の看板
画像中:遺跡に住み着いている犬
画像下:うちのアパートに住み着いている猫


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