|
先日友人に連れられて、初めて本格的なスーフィーダンスを見に行きました。これは、有名な観光名所であるムハンマド・アリ・モスクのあるシタデル(城塞)の中で、毎週月・水・土曜の夜に行われています。政府が管理しているもので、無料で見ることができます。夏は野外で、冬は建物の中で行われます。
このスーフィーダンスは、タンヌーラと呼ばれ、このタンヌーラというのはスカートという意味だそうです。男の人がスカートをはいて踊るので、こう呼ばれています。ナイル川クルーズやカイロのディナークルーズなどのショーでも、簡単なものが行われていますが、このシタデルでのものは、時間も1時間半ほどある本格的なものです。
このエジプトのタンヌーラというダンスは、イスラム神秘主義派であるスーフィの神への陶酔境にひたる旋回舞踊であります。ぐるぐる回って神と一体化するというわけです。以前、ルクソールのハッジャージ祭で、スーフィのジグルという祈祷の踊りの場に参加する機会があったのですが、頭を左右にずっと振りながら陶酔しきっていて、途中でバタンと倒れる人なんかもいて、その人々のエネルギーに驚愕したことがあります。
今回のショーの話にもどりますが、我々は始まる時間ぎりぎりに行ったので、すでに満席でした。日本のパックツアーなどではここの観光は含まれることは稀なのですが、時間に余裕のある欧米のツアーの人たちがたくさん訪れていました。また、日本人の個人旅行者らしき人たちも何人か見かけました。
入り口のところに立たされたのですが、ぜんぜん見えなくて前の隅に行こうとしたら、係りの人がダメだといいます。そして小声で10ポンド(180円前後)と繰り返していました。つまり10ポンドのバクシーシ(チップというか、この場合は袖の下)をわたせば、よく見えるところに連れてってやるとのこと。まあ、いつものことなのでまたかと思っていると、別の係が前に連れてってくれました。そして、なんとか立ったままですが、よく見える場所を確保できました。
ショーは3つのパートに分かれていて、最初はいくつかの楽器奏者によるデモンストレーション、そしてタンヌーラダンサーによるウォームアップ的な踊り、その後、本編、40分くらいぐるぐるまわって踊り続けます。この「旋回する」ということは、世界はある一点から始まり、またその同じ点で終わる。したがってその動きは旋回であるという思想からきています。
そして、ダンサーは4枚のスカートをまとっていて、1枚ずつ脱いでいく。このスカートは4つの季節を象徴しています。また時計と反対周りにまわるということは、イスラム教徒たちが、メッカのカーバ神殿の周りを回るのと同じということ、またダンサーが右腕をあげ、左腕をさげる時、それは地球と天国の融合を示すのです。そして、ぐるぐる回ることによってトランス状態になり神と一体化し、天国へと導かれるというのが、このタンヌーラダンスなのです。
クルーズのショーでこのタンヌーラは何回も見てるわけですが、時間も短く簡略化されたもので、もう感動もなくなっていたのですが、こういった本格的なものを見て、改めてイスラム文化を感じることができました。
画像上:観光名所として有名なムハンマド・アリ・モスク
画像中:楽器奏者たちによるデモンストレーション
画像下:ぐるぐる回って踊るタンヌーラダンス
|