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今年はなかなか春になりません。いつもは水仙の花ぐらい咲いているキューケンホフ公園も寒々しいぐらい、花が少ないです。うちの庭も、やっとクロッカスが顔を出したところです。水仙なんてまだ葉っぱしか出てません。チューリップが出てくるのはいったいいつの話なのか?ってぐらいです。日本でも北海道でほんの最近まで大雪降ったりしてましたよね。東京でサクラが咲いている日にも。
2月、3月に産まれた羊たちもだいぶ大きくなってきました。外に出せる日ももうすぐです。毛がいっぱい生えた親には小屋の中は暑いのですが、子羊はもっと毛が育たないと寒いのです。羊というと、のそのそ歩くイメージがあるかもしれませんが、子供の時は跳ねますよ。もうあちこち走り回って親の背中をピョンピョンふんずけたりしてます。
さて、先日、砂糖大根の種をまきました。機械でぱーっとまくので、3時間もあれば終ってしまいます。今年の種の名前はシャキーラ。同じ種で連作すると病気がでやすいので、毎年違う種をまきます。種の名前は誰がつけているのかわかりませんが、女の人の名前がよくついています。種は本当は茶色っぽくてでこぼこしています。それを虫除け、病気よけの薬でコーティングしてあります。土の上でもわかりやすいように色もつけてあります。そして、コーティングついでに大きさを整えて機械を通しやすくしています。
この病気よけがないと、あっという間に種は真っ黒、虫にやられます。コーティングは発芽するまでにゆっくりと溶けて虫に食われない大きさまで成長する頃にはすっかり消えています。種まきする機械は、穴掘って種を入れ、土をかぶせて押さえ、その上からプシュッと除草剤をかけるとこまでやります。その日はまだ夜の気温がマイナスで、朝7時から作業しましたが、除草剤と混ぜる水が機械の中で凍っていてしばらく待たねばなりませんでした。
なぜここで除草剤をまくのかと言うと、砂糖大根が成長するにしたがって勿論畑に沢山雑草が生えてきます。その時、機械で畑に入って、砂糖大根のうねの間に生えた雑草は奇麗に刈り取れます。しかし、うねの上に生えたものは刈り取れません。砂糖大根の葉っぱまで一緒に刈り取ってしまう事になるからです。勿論、人間が手で草取りもします。ものすごく大きい土地を朝から晩まで歩き回って草取りです。でも、面積が大きければ大きいほど、人間が最後まで取りおわらないうちに、前に取ったとこから生えてきてすっかり元どおりに。機械にたよらなければいけない農家は多いです。畑全面に除草剤をまきまくる、という事もできないではないですが、環境に非常に悪い上にお金もかかる。なので、必要最低限に済ませています。
オランダではこの除草剤、特定の雑草にピンポイントで効くように調整してあります。何でもかんでも殺すような強い薬ではありません。なので、かなり高価です。ヨーロッパの他の国々では、ベルギー、フランスですらかなり規制が弱いです。人体に危険があるような強い薬を使っている国も多いです。そういう薬は安いので、砂糖大根の値段は安く押さえられ、もうけも多くなります。
ヨーロッパ共通の規則がまだないため、同じものを作ってもこちらはもういつやめるか考えなければならないぐらい利益が薄くなります。どうやって作った砂糖大根から作った砂糖か、というのはお店の袋に書いてありませんから、安い砂糖でいいや、という人は他の国で作った農薬まみれの砂糖大根から作ったものを買っているかもしれません。特に、ユーロマークのブランドが安いのにはそういう理由があります。野菜でも、オランダ産と表示してあるものがわりと高いのにもそういう訳があります。消費者は安いものが好きだし、できるだけ安いものを買おうとする。それは勿論自由です。でも、買う時に、どうしてこれはこの値段がついているのだろう?とちょっとぐらい、たまには考えて欲しいと思います。
いいものを作るにはお金がかかる、買い値は同じなので利益は薄くなる。体に悪いものでも見た目は同じか綺麗なぐらい、利益は多めだが、作ってる人すら食べたくないぐらい危険な野菜ができる。農家はいつも、このジレンマに悩んで、どのへんで手を打つか悩んでいると思います。まあ、オランダはあんまり選択肢がないんですけどね、危険でないものを作って細々とやっていくか、農家をやめるか。オランダの農家が全滅する日もほんとにすぐそこまできてます。
今年はまたしても鳥インフルエンザが流行しているせいで、鳥農家が大打撃を受けてます。前回半死にだったところが今回でノックアウト、というところも多いです。最近、特に農地だったとこに住宅がどんどん建ってきてます。うちの村でも今建てているだけで100軒ぐらい。ちょっと寂しいような、次はうちか?という危機感も持ったりします。あと10年ぐらいたったらうちの畑も住宅たってたりして、、、。
-文中の画像-
画像右上:やっとでてきたクロッカス。黄色が目に眩しいです。
画像左上:先月生まれた羊も大きく育っています。
画像右下:砂糖大根の種。病気よけの薬で赤くコーティングされている。
画像左下:連作すると病気がでやすいので、毎年違う種をまきます。今年の種はシャキーラ(SHAKIRA)。
  
画像左:種まきする機械は、穴を掘り、種をまき、土をかぶせて押さえ、除草剤散布までやります。まるでムカデのようです。緑の箱に種を入れます。赤い棒の先の円盤を地面におろしてそれが斜めに土をめくり、そこに種が落ちます。12列いっぺんにまけます。
画像中:ホースの先から除草剤がプシュッとでてきます。
画像右:ムカデな機械には余り大きな水タンクがついていませんから、水タンクも畑へ持って行って補給します。
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