■オランダの夏と日本の夏 2004.8.16 update

オランダに住んで13年、日本へは何度か里帰りしましたが、いつも春か秋か冬で、夏は避けていました。なぜなら私は暑さが苦手だからです。私の出身は名古屋(春日井市)で、日本の中でも1、2を争うほど夏の不快指数が高いところで、気温はともかく湿度が高く、何もしなくても汗がポタポタ。1日に何度着替えた事でしょうか。大人になったら北海道へ引っ越すんだ、と子供の頃に誓っていたぐらい苦手なものでした。

その暑い日本の夏へ13年ぶりに行ってしまいました。6月、7月でしたので、梅雨もあるはず、雨が降っていればきっと暑さはそれほどでもないかも、と少し期待しながら。しかし、名古屋空港に到着した瞬間、オランダへ帰りたい、と思ったほど暑く、出発した時のオランダは寒かったので薄手のジャンバーを着ていましたが慌てて脱ぎ捨て、半袖になりましたが全然駄目。一人で大量の汗をかきつつ実家へ移動しました。オランダに住んでいてこんなに汗をかく事はありえないので、体中の毛穴から老廃物がすべて押し出されたような気がしました。スポーツして汗をかいても、ここまでかく事はかなり難しいです。

夏やせという言葉もオランダにはありません。涼しいので食欲が落ちる事もないからです。日本にいたらこんなに太る事もなかったかも?と、今やガッポリつかめる自分の腹の肉を眺めました。夏の薄着は自分の脂肪というか、デブさ加減が更に目立つので余計に苦手です。結局今年は梅雨の間ほとんど雨は降らず、毎日快晴でしたね。時々台風はきてましたけど。

これだけ暑かったら食欲も落ちるだろう、と思いきや、そんな事もありませんでした。日本の夏にしか食べられないものが沢山あるので。スイカ、桃、種無しぶどう、サクランボ、冷やし中華、かき氷、、、、。いくらでも出てきます。オランダのスイカは、あまり甘くなく、油断すると中身が半分以上白っぽいスイカだったりします。当然おいしくありません。時々トルコ食料品店などで美味しいのが手に入る事もありますが、日本のほど甘くないです。

桃は日本では白いのが主流ですが、こちらでは黄桃がほとんどです。黄桃は白桃より酸味が多く、それはそれで美味しいのですがないものが欲しいのは人の常。私の実家の付近は地名が「桃山」というぐらい桃の採れるところなので、美味しそうな桃をみると片っ端から試して当分桃はいらないよ、というぐらいお腹につめこみました

ブドウも、オランダでは粒が大きい種のある黒いのと白いのが売られています。オランダ人は皮も種も食べてしまいます。私はいちいち皮をむいて食べていますが(皮は少し渋いので)、でも皮がつるっとむけて種のないやつはありません。そこで、これも当分いらないよ、というぐらい食べてきました。幸せ。

メロンなんかはこちらでも同じような味のものがかなり安く出てますので興味なし。そこでサクランボ。食べた事のない佐藤錦を山形へ食べにいきました。10数年前には聞いた事がなかった名前です。オランダでもサクランボは出回っています。色の黒い、アメリカンチェリーのようなのがほとんどで、甘くて美味しいです。でも、奇麗な赤で果肉が白っぽいサクランボはドイツ方面に行かないとなかなかお目にかかれません。友達の親戚の人が山形でサクランボ農家をやっているので、サクランボ狩りもしてきました。もう一生食べなくてもいいぞ、というぐらい食べました。佐藤錦はものすごく高級だそうですね。果物の値段とは思えないぐらい高くて驚きました。

オランダの夏は基本的にすごく涼しくて、夕方には寒いほどで、冷たいものが余り欲しくなりません。そのせいか、アイスコーヒーなどはまず見かける事がありません。ドイツにはあるようですが。アイスミルクティーなども、よっぽど探してもまず無いでしょう。ほんの極一部で出しているようですが、お店で飲みたい時にのめるような普及率ではないです。かき氷なんて勿論無く、どうしても食べたければ、パリの虎屋にでもいかないと無理です。日本での滞在中、いったい何度食べたか、、、。冷房のきいた店ではなく、暑い中で頭がキーンとなりながら宇治金時白玉が最高でした。外国人向けの歌舞伎な絵柄のTシャツや何かが置いてある怪しい店でかき氷の暖簾のプリントされているTシャツまで買ってしまいました。怪しい外国人化している自分に笑ってしまいます。

日本に住んでいる時は全然日本旅行などした事はなかったのですが、日本の外に住むようになってかえって日本に興味がでてきました。外から見ると日本という国が中に住んでいた時と違って見えます。美しい景色も沢山ある事に気づきました。ここを読んでいる皆さんも、日本中旅したことがある、という方、意外と少ないのではないかと思います。外国のほうがよく旅行に行っていたりして。

東北は少しは涼しいだろう、とサクランボ狩りに山形に行った時にぐるっと観光してきました。岩手は三陸海岸の美しい日の出を見て、本州最北端の大間崎で北海道を眺め、青森では海の中にある黄金の温泉につかり、秋田で出羽三山を歩き、ついでに新潟、おまけに永平寺、駄目押しで天の橋立なんかもまわりました。

7月1日の山開きの日には、富士山にも登ってきました。オランダにはほぼ山がないので、どうも高い山にあこがれます。体が低地になじみきっていたので、3776メートルはかなり体にきついものでした。天気が良かったのでお鉢まわりもしましたが、登って何がよかったかって、涼しかった事です。下界は40℃近くになっていましたから。このまま降りたくないとさえ思いました。

8月まで日本にいられたら、花火や盆踊り、お祭りなんかも沢山見られた、と思いますが、そう長くも行っていられないし、更に暑さが増すと思うと恐ろしいし、で涼しいオランダに帰ってきました。夜もよく眠れて幸せです。次回は更に食べ物が美味しい秋に行こうと思っています。

画像右上:オランダでも相撲は放映されています。名古屋場所を見てきました。お客さんの中に外人も沢山いました。力士も大勢外人がいるようですが、まだオランダ人力士はいないようですね。
画像左上:愛知県豊浜の鯛祭り。2匹の巨大な鯛をぶつけ合う祭りです。日本では全然有名ではないようですが、オランダでTVを見ていたら映っていました。ドイツ制作の番組のようでしたが、どうやってこんなマイナーなお祭りを探したのでしょうね? 日本で有名な運河飛びも、オランダではそれほど有名ではありません。
画像右中上:愛知県と三重県の境目にある立田村では、村中に巨大なハスの花が咲いていました。高さが1m以上ありました。オランダでは水にへばりつくように咲いている背の低いものしか見た事ありません。日本でもこれだけ大きいのが見られるところは他にないのでは?
画像左中:オランダにはいない生き物、タヌキ。いつも説明に苦労します。画像は信楽焼きのタヌキ。よく見ると間にオランダ人が立っていますが、タヌキはその3倍もありました。
画像右中下:オランダには無い、赤いサクランボ。山形の佐藤錦ほど甘くて美味しいサクランボもありません。糖分が多くて、いじきたなく食べ過ぎてお腹をこわしました。
画像左下:岩手の三陸海岸、太平洋に上がる朝日。オランダの海では、北海に夕日が沈むところしか見られません。
画像右下:オランダ最高峰は300メートルほどしかありません。山に登るには他の国に行くしかありません。3776メートルの富士山の山開きの日には、オランダ人も何人か頂上にいました。


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