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前回書いたように、オランダの子供のイベントは 12月 5日なので、24日のクリスマスはたいして盛り上がりません。プレゼントはもうもらってしまったので、二度ももらう子はほとんどいないし、親の方も、ごちそうを食べに外に出るにもクリスマスはレストランもクリスマスメニューになってしまって、いつもの 2倍ほどの値段になってたりします。年々外食をする人は減っていて、レストランの数も減ってきています。来る人が減れば値段をあげるしかなく、値段をあげればますます来ない、そんな感じでオランダの外食産業は冷え切っています。
というわけで、一般市民は クリスマスカードを部屋中に飾って、モミの木ぐらいは買って飾りつけたりして、家でパーティーです。日本の年賀状並みにクリスマスカードが飛び交いますが、オランダではオランダ国内発送向けにクリスマスシーズン限定切手があって、普段の料金より割引価格で使用する事ができます。クリスマス切手という名前です。
年末と言えば、日本では大掃除しますね。オランダでは大掃除はしません。そういう習慣がないのです。それも、普段から奇麗にしているから。カーテンが閉まっている家は余りありませんので、通り掛かりの旅行者でも簡単に家の中をひょいと覗けます。たいていどの家もかなり奇麗に整理整頓されています。余りに奇麗にしすぎて、家具売り場かのように生活感のない家もよくあります。田舎に行けばいくほど、家の中の奇麗さ具合も上がります。私の住む田舎はオランダの中でも特殊な部類で、窓ガラスを毎日磨く人々がいます。別に宗教でも何でもないと思いますが、綺麗好きにも度がすぎます。たしかに、いつも天気が悪く、風が強く雨が降るので、すぐ汚れると言えば汚れるのですが。
そのARNEMUIDENという村では、働きに行っている人も、家にずっといる人も、毎日窓を洗ってみがくのです。よその村の人も「ああ、あの村ね、住むには大変そうね」と言います。私は運良く村のはずれの農家に住んでいるのでそこまでは大変ではありません。それどころか、1年にいったい何度磨いたのか思い出せないほどで、、、。村の知り合いの中でも一番ずぼらそうな人に聞いてみましたが、2週間に1度は磨く、というのです。私の義母もその村に住んでいます。彼女は、毎週金曜日は大掃除の日、と決めていて、家の中の隅から隅までみがきたてます。冷蔵庫まで動かして、裏のほこりをとるほどです。これでは大掃除は必要ないですね。汚れている場所がないんですから。
大晦日と言えば日本では年越しそば、しかしさすがにこちらにはそういうものはありませんが、年末になると売り出されるものに「オリボルン」というものがあります。レーズン入りの穴なしドーナツ、という感じのもので、もちもちっとしていて大人の女性のゲンコツぐらいの大きさです。粉砂糖をかけて食べます。市場の日や何かイベントがあると巨大な屋台が出ていて、揚げたて熱々を食べるのはたまりません。りんご、パイナップル、バナナ入りのものや、カスタードクリームや生クリーム入りの変形版もありますが、どれを食べてもおいしいです。夏のお祭りにも時々出ていますので、冬にオランダに来られない方で食べてみたいという方は探されるといいでしょう。
オランダに限らず、ヨーロッパの多くの国では、花火は大晦日の日の前の数日しか買えません。そして使っていいのは大晦日の日のみ。法律で決まっているのです。主に打ち上げ花火と爆竹が売られています。日本のように、手で持ってする花火や打ち上げ花火を夏の夜に見物することは どのみちできません。夏は夜中まで明るいからです。夜11時を過ぎてもうっすらと明るいのでは、子供の寝る時間をとっくに超えてしまいます。そのせいで、ヨーロッパには花火文化がいまいち発達しなかったのではないかと思います。
で、普段から親しんでいないので、1年に1日きりの花火の扱いに慣れておらず、毎年年末には花火でやけどした、手指が吹き飛んだ、などなど不注意きわまりない事故がよくおこります。それでも、子供も親も張り切って年越し花火をします。派手な村、地味な村、色々ありますが、私の村は普段はケチきわまりないのに、こういう時はいきなり負けず嫌いになります。隣の家が 10万円なら、うちは 20万円つぎ込むぞ、という勢いで燃やしまくります。ついでに、漁師の村でもあるので、今年使わなかった照明弾などもどさくさに紛れてあげたりして、ものすごい事になっています。音と光と煙でオランダが赤く白く染まった頃12時がきて、乾杯のシャンペンなどで新年を祝います。色々な人と一緒にパーティーをしている場合は、夫婦や恋人の間でキスがかわされます。
翌日、二日酔いで起き出す頃、外を見ると、爆竹の赤い紙で通りという通りは埋めつくされています。お正月というものはありませんので、翌日 2日から仕事です。会社によっては 2日は休み、という所もあります。今年は 2日が金曜日なので、うまくすると1、2、3、4 の 四連休だった人もいるかもしれません。というわけで、遅ればせながら今年もよろしくお願いします。
画像右上:余った切手はまた来年使う事ができます。毎年違うデザインです。今年のは、緑の部分をこするとメッセージがあらわれます。
画像左上:クリスマスカードには色々な文句があります。一番使われるのは、「Prettige Kerstdagen en Gelukkig Nieuwjaar !(楽しいクリスマスと幸せな新年を!)」です。プレタハ ケルストダーハン エン へルッカハ ニューヤール! って感じの発音です。
画像左下:年末に売り出される「オリボルン」の屋台。なかなか大きいでしょう?!トラックの横腹が開く作りになってます。
画像右下:新年をシャンパンで祝いつつ、家の外で花火鑑賞。今年は正月から雪で寒かったので、たき火を囲んでいます。後ろの赤い光は、花火ではなく「照明弾」。
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