■冬が来る前の準備 2003.11.17 update

ちょっと前の話しになりますが、オーロラ、見ましたか?日本でも北海道で少し見られたようですね。オランダでも天気さえ良ければ見られたようです。数年前にもミドリ色の もやもやが空に浮かびました。オーロラなんて、北極だか南極だかでしか見られないと思っていた私は、まさかオランダでも見られると思っていなかったので、夫が「オーロラが出てたよ」というのに からかわれているのだと思い相手にしませんでした。そしたら次の日の新聞でほんとにオーロラだったと知り、すごーく後悔しました。今回またオーロラが見えると聞いた時、「今度こそは!」と張り切って空を見上げて探しましたが、あいにくの雲がオーロラの見える方角にだけ出ていて、またしても見られませんでした。今回は、オーロラの色が色々あると知りましたので、次の機会には緑だろうが赤だろうが見逃さないぞ、と誓いました。

ところで、このところ毎日、雨が降って風が強いという、典型的オランダの秋な日々が続いています。 台風かと思うような強い風は、木々の葉っぱを全部吹き飛ばして、庭の芝生の上に積もらせています。 木がうなる音がうるさくて寝られないような夜もあります。雪までも降った日がありました。こんな早くに降ったのは30年ぶりぐらいだそうで、今年の異常気象ぶりがまだまだ尾をひいている感じです。

そんな中、少しの晴れ間をぬって、砂糖大根の収穫が行われました。この砂糖大根、「てんさい」とも「ビーツ」とも呼ばれ、これを精製して砂糖ができます。かじってみるとかなり甘いです。 昔、社会科の時間の時、北海道でとれる作物でそんな名前のものがあった事覚えていませんか? 暑い地方では「さとうきび」から砂糖を取りますが、寒い地方では育たないので、寒さに強い「砂糖大根」が育てられています。

オランダではジャガイモに負けない量の砂糖大根が育てられています。しかし、いくら沢山砂糖大根が取れても、砂糖の含有量が少なければ、少ししか取れないのと同じですよね。今年は、砂糖が 19.4パーセントも含まれていました。 今年の夏が非常に暑かったのと雨が全然降らなかったのとで、砂糖大根自体に水分が少なく、糖度が上がったのです。

砂糖大根自体の収穫量は少なかったのですが、沢山砂糖がとれました。うちの県はオランダでもほぼ一番よく砂糖が取れる場所で更に、うちの辺りは県でもかなりいい砂糖大根が取れる地域なのです。 去年は砂糖の含有量が14パーセントでした。今年は19.4パーセントなので、それを大幅に上回っています。オランダの平均が16.8パーセントぐらいだったので、かなりいい数字です。

砂糖大根の場合は、砂糖大根自体の重さではなく、どれだけそこから砂糖がとれたか、だけが重要になってきます。 細かい事を言うと、泥などの汚れが少なかったり、とにかく砂糖が取り出しやすければ取り出しやすいほど良い値段になります。 今年は土が乾いていたので、ほとんど泥は付着しておらず、これまた最高でした。

しかし、いっぱいとれたからといって喜んでばかりはいられません。砂糖が国内でだぶついているので、各農家ごとに毎年作っていいキロ数が減らされます。(5パーセント程) うちの場合は今年は 砂糖の量が22トンまでOKでした。しかし、10トン余計にできました。 32トンの砂糖がとれたわけですから、170トン程の砂糖大根が収穫できたわけです。しかし、50トンほど余分にできてしまったわけです。 単位がでっかくてちょっと想像しにくいと思いますが、余分にできてしまった10トン分の砂糖というのは、10X1000キロ、スーパーなんかで売っている1キロの砂糖の袋が1万袋分も多くできてしまったのです。すごくいっぱいですよね?

オーバーした分は、只に近い値で買い叩かれます。しかし、不作だったりして多めに作れなくって許可されたキロ数より少ない場合は来年から更に、作っていいキロ数が減らされます。だから、少々多目に作っておかないと、毎年作っていい量が減ってしまいます。ちなみに、砂糖大根はジャガイモより手間が少ない上、倍稼げるので、みんな作りたがります。なのでだぶつくわけですが、 北海道では足りないそうですから、うちがかわりに作りたいぐらいです。

砂糖大根の収穫が終った畑は、冬がきて地面が凍ってしまう前に耕します。小麦の種などが まかれたりします。肥料を散いたりもします。すぐ目の前に迫った地面が凍ってしまう冬が来る前にすべて終らせなければなりません。 一度地面が凍れば、春までは畑に入れません。どの農家もしっかり天気予報を見て計画をたてています。 農家向けの有料天気予報 WEBサイト(長期予報と、数分ごとの細かい雲の動きレーダー付き)もあるぐらい、天気は農家にとって重要です。うちでも有料サイトではないですけれど、毎日天気予報は欠かさずインターネットでチェックして準備はすっかり終りました。

画像右上:砂糖大根はこんな機械を使って掘り出します。一度に18トン溜められます。 タイヤは特別な空気が少ないもので、畑の土を必要以上に踏み固めてしまわないように工夫されてます。一度に6列掘り出す事ができます。1時間に1ヘクタールの速度で掘っていきます。上の葉は砕いて横から吐き出し、砂糖大根は泥を落しながら篭にためていきます。
画像左上:砂糖大根です。人と比べるとわかりますが、1ヶ1ヶがかなり大きいです。
画像右下:砂糖工場へ運ぶトラックへ積み替え。ひとつかみ 1トン(計量機能付き)でどんどんトラックへ。トラックには、35トン積む事ができます。
画像左下:耕す前に地面をならしているところ。大きいマシンが入って、深い溝になってしまっているところを、ならして平らにしてから耕します。


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