■オランダの秋 2003.10.13 update

今年の夏は異常気象でした。47年ぶりだとか、観測史上初だとかの長く暑い夏が数ヶ月におよびました。 秋になってもまだまだ暑く、日中22度まで上がったりしています。これまでのオランダではありえない事です。 普段の年ならば夏の暑い日などほんの数日、なのでクーラーどころか扇風機すらない家がほとんどです。 外よりも家の中のほうが涼しいので買物に行く気力も無く、私も日中は日本から持ってきたうちわを片手に部屋の中にへたりこむ日々が続きました。

暑い日には、お店に買物に行くと、店員も暑くて店の中にいられず、店の外で客を待っていたりしていました。今年はそれが3ヶ月も4ヶ月も続いたものですから、オランダに長く住んでいる人の間では、「こんなに気前よく夏が来たら、この先10年ぐらいは夏はもうこないかもしれない!」などと言われています。私もそれを聞いて深く同意しました。しかしまだ湿気が少ないだけ日本よりはましかもしれません。今年の日本は夏は寒かったそうで、今頃になってまだ暑いそうですね。

うちで飼っている羊達も、昼間は木陰から全く出ようとしませんでしたし、近所の牛もミルクの出が悪くなったりしていました。湖や運河の水も少なくなり、普段からあまり綺麗とは言えない水が、いつもより濃縮されてしまっているところに、暑さに耐え切れず泳ぐ人が沢山やってくるので、泳いでいた人の中には病気になる人も出て、国から「泳がないでください」という注意報が出たぐらいです。プールの水の汚れ方もすごかったたようです。9月には少しは雨の降る日もありましたが、まだまだ全然足りません。それでも、庭の芝生はだいぶ緑色になってきました。夏の間はずっと茶色でしたから。

オランダの辺りでは、「春夏秋冬」というよりも「冬冬冬」ときて「気がついたら春、もしかして夏、秋はあったかしら?」と冬以外の季節は一瞬で過ぎてしまうのですが、今年は秋になっても夏の続きのようです。私の家は農家をやっていて、今のところ、小麦とタマネギ、ジャガイモの収穫が終りました。いつもなら、ぶ厚いコートを重ね着して白い息を吐きながら、作業する手は冷たく雨もしょぼしょぼ降ってきて大変!といったところなんですが、今年は半袖で汗をかきながらの収穫です。これまた信じられません。私はオランダに住んで10年以上になりますが、半袖を一度も着られない年もあったぐらいいつもは寒いか涼しいのです。雨が降り過ぎて土がいつまでもぬかるんでいて、トラクターが入れず、収穫できなかった年もありました。9月に日中の気温がマイナスになった事すらあります。

今年は天気が良すぎたので、作物に水が非常に不足していたため、不作でした。収穫高がいつもの三分の二以下です。質も良くありません。ジャガイモなどは大きさもいつもの半分ぐらいの小さなものばかり。その不作のため、スーパーなどでも野菜の値段が上がっています。こちらも、引き取り価格は少しは上がるのですが、なにせ不作で量が少ないので、少しばかり余計にもらっても全然儲かりません。小麦はヨーロッパではかなりの不作でしたが、オランダでは豊作でした。豊作なら豊作で国内にだぶつき、値段は下がります。どうにもうまくいきません。豊作貧乏、という単語が頭の中をよぎります。オランダでは今、1日に9軒ほどの農家が廃業しているそうです。よくわかります。とてもじゃないけどやっていけません。この時代、農家なんかやって小銭をかせいでいるのは馬鹿なのかもしれません。とりあえず次はビーツ(てんさい / 砂糖大根)の収穫が10月の終り頃にあります。せめて、これの出来がいい事を祈ります。

それとは別に、庭で私個人用のトマトなど作っているのですが、種を撒いたのが遅く、収穫できる前に冬がきてしまうかもな、と思っていたら、まだまだ大丈夫。今ごろ赤くなっています。前に、スイカを作ってみようと思い種を撒いた事があったのですが、その時はソフトボール大ぐらいに育ったところで冬の気候になり気温が下がりすぎタイムアップ。中がまだ白いまま枯れました。今年だったらもしかして大丈夫だったかもしれません。オランダの庭では、日本で言えば、北海道あたりの北でできる野菜が失敗なく栽培できます。カボチャ、とうもろこし、それに、枝豆なんかもうまくできました。葱、大根なんかもちゃんとできます。できないのは さつまいもなどの暖かい地方でできる作物。私の大好物なのでこれだけは残念です。

画像右上、左上:牛も羊も暑かった!
画像右下:小麦の収穫をするコンバイン。クーラーと冷蔵庫がついてます。家の中より涼しい!
画像左下:ジャガイモ収穫作業中。土の塊など、ジャガイモ以外のものが混じっていたら取り除きます。


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