■魚の季節がやってきた! 2006.9.19 update

9月1日に、漁が解禁されました。魚料理は高級なもののイメージがあるトルコの人たちにとって、待ちに待った解禁日です。テレビのニュースでは、夜中の12時の鐘とともに網を引き揚げる漁師の姿や、解禁初日の魚市場でのせりの様子などが報道されました。再び禁漁期に入る来年の4月15日まで、漁師さんたちは大忙しです。近年のダイエットブーム、寿司ブームや、鳥インフルエンザ、狂牛病などの影響で、トルコでは魚を食することがさらに身近になりましたが、日本人の私が見たところではお魚の種類は日本ほどは多くなさそうです。

冬のこの時期、最も安く手に入り、健康にもいいとされているのはカタクチイワシです。黒海沿岸で取れるこのお魚は、やはり黒海で生産されるとうもろこしの粉をまぶし、とうもろこし油で揚げるのがおいしいとされています。黒海の人たちは、このカタクチイワシの入ったとうもろこしパンや、塩漬け、さらにお菓子まで食べるそうです。

日本人旅行者におなじみなのが、鯖です。イスタンブルの観光地では、この鯖をあげたり焼いたりしたものを、生の玉葱と一緒にフランスパンにはさんだものが有名です。レストランではなく、港に横付けした小舟から買って立ち食いできるというのも、お手軽で人気の理由です。ケバブに飽きた日本人旅行者の救世主とも言えるこの鯖サンドは、一時期安全上の理由で市によって撤去されました。波に揺れる船の上で、プロパンガスで起こした火で調理するのが危険だと言うことです。

しかしこの撤去宣言は、鯖サンドを愛する市民の不評を買い、防災以外の理由があるのではないかとかなりの議論が戦わされました。その議論の結論がどうなったかの報道はされませんでしたが、結局、今日も観光客や地元民で賑わうエミノニュ港では、鯖サンドが売られています。日本人観光客を見ると「サバー!!」と叫ぶ売り子のおじさんも健在です。

その他、日本のものとはちょっと違いますが、小鯵もポピュラーなお魚です。トルコでは、お魚料理は素揚げ一本やりですが、慣れるとこの小鰺の素揚げとパンもなかなか合うものです。家庭で魚料理をする場合は、これらのお魚か、石鯛に似たものの素揚げなどが中心です。蒸し魚や煮魚は、一般的ではないようです。

レストランでは、魚は「高級なもの」のイメージもあるため、凝らした趣向のものもでてきます。カタクチイワシのブドウの葉蒸しや、イボ鰈のフライなどです。ほかにも太刀魚に似たものや、うなぎもあります。トルコのうなぎは大変おいしいそうで、フランスや、日本までも輸出されているそうです。イスラームを信仰する人が多いこの国では、うなぎやイカ、蛸を敬遠する人も多く、これらの海産物は輸出されることもあるようです。

魚料理のともには、国民酒ラク、と言う人が多く、メイハネと呼ばれる居酒屋ではこれからが稼ぎ時です。種類の多い前菜と新鮮な魚で、ラクを飲む楽しみは冬ならではなのです。ニュース報道では、今年は鯖といわしの大漁が期待されるとのことでした。最初の報道では、魚市場でのいわしのお値段はキロ当たり5リラ(約400円)前後とのことでした。小売店ではこれにさらに少し値段が上乗せされますが、それでも走りの値段としてはまあまあといったところでしょうか。

今年はラマダン(断食月)も、冬に当たります。断食開けの食卓に、ほかほかの魚がのる風景が、あちこちの家庭で見られることでしょう。このままお魚の値段がもっと下がるためにも、今年の豊漁を願いたいものです。

画像上:魚市場の様子
画像下:鯖サンド船


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