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4月1日から、第25回イスタンブル映画祭が始まりました。15日間の間、イスタンブルの映画好きの人たちは各映画館をはしごしながら楽しみます。また映画館が集まるベイオウル地区にあるカフェやレストランでは、映画祭のチケットを見せると飲み物が無料、などのサービスもあり、フェスティバル気分を盛り上げています。今年は25周年ということで、「25年間の最もよい作品群」のテーマのもとに集められた映画のほか、「イザベル・ハーパー特集」「ドキュメンタリー特集」などの、カテゴリー上映も行われます。
この映画祭は、1982年に「国際イスタンブルフェスティバル」の中でのイヴェントのひとつ「国際イスタンブル映画の日々」として始まりました。そのときの好反応から、翌年は一月にわたって36本の映画が公開されました。さらに翌1984年には、イスタンブルフェスティバルから離れた形で、単独のフェスティバルとしての「イスタンブル映画祭」が始まったのです。85年には、国内、世界の二つのカテゴリーで賞を設け、本格的な映画祭としてのスタートを切りました。インターナショナル部門の賞は、イスタンブル市の象徴の花であるチューリップから、「金のチューリップ」賞と呼ばれています。また映画祭のポスターにも、主催のイスタンブル芸術文化協会のチューリップのロゴマークが入っています。
1989年にはFIAPF(国際映画製作者協会連合)によって「国際的で、賞レースのある映画祭」のカテゴリーに認められたのを機に映画祭は「国際イスタンブル映画祭」と名を変え、今日に至っています。1996年から国際映画スターを招待するようにもなり、カンヌやトロントに引けを取らない映画祭を、の思いは強く、毎年主催協会は工夫を凝らしたフェスティバルをイスタンブルの人たちに提供しています。主催協会に拠れば、これまでに76か国の3276本の映画が公開され、述べ300万人がこれらの映画を鑑賞したそうです。
今年は平日日中のチケットが2.5リラ(日本円で約200円)とお手ごろなため、チケット売り場には学生や外国人バックパッカーの姿もたくさんあります。さらに今年の目玉として、アラン・ドロンが開祭式に、ジェラル・ドパルデューが閉祭式にやってくるという告知がありましたが、残念なことにアラン・ドロン氏は前日に「非常に個人的な理由のため」キャンセルということになってしまいました。閉祭式には無事ゲストが来てくれることを祈ります。
異国の地に住んでいる私にとっては、これら映画祭と日本大使館主催の「日本映画祭」が、銀幕で日本映画を見る数少ないチャンスです。トルコでは、ヨーロッパ映画祭の評価の影響が強いようで、賞を獲得した作品は比較的早く見ることが出来ます。ここ数年では、北野武、三池崇史作品がお気に入りのようです。私が好きな是枝裕和監督の作品も、そろそろ見られるようになるのではないかと期待しています。ちなみに、今年のイスタンブル映画祭には日本からは北野武の「TAKESHI’S」のみでした。昨年のアニメ特集では、「ハウルの動く城」を観ることが出来ました。ほか日本で話題になった作品では、ウォン・カーワイ監督の「2046」もプログラムにあります。私も5作品ほど廻ってみる予定です。初日に、「25年間の最もよい作品群」から、お気に入り映画のひとつ「ジプシーのとき」を観に行きましたが、映画館は観客で一杯で、銀幕で映画を見ることの楽しさを再確認することができました。
天気がよくなり、人々がコートを脱いで街に繰り出し始めるころに開催されるこの映画祭は、イスタンブルの人々が、古今東西の名作に触れるとてもよい機会です。カンヌやそのほかの国際映画祭のような華やかさやセレブ感はまだ足りないかもしれませんが、とにかく映画を楽しむというフェスティバル本来の意味でのイスタンブル映画祭は、今年も成功となりそうです。
画像:イスタンブル映画祭のスケジュールとブックレット
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