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親しい友人から結婚式の招待状が届きました。新郎新婦のお父様方の名前で発送された招待状には、ひなぎくの模様のうえにピンク色のかわいらしい飾り文字が躍っています。きっと彼女自身が選んだものでしょう。この夏に結婚式が有るというのは前々から知っていましたが、いよいよという感じがしてきました。
トルコでは、伝統的に男女別の前夜祭をやって結婚式のあと盛大に村中でお祭り、という風習も地方ではまだ残ってはいますが、イスタンブル・イズミル・アンカラなどの大都会では、日本と同じくホテルやレストランでの披露宴が浸透しています。少し違う点は、婚姻が日本のような届け提出ではなく、お役所から派遣された『結婚係』のような人が、新郎新婦両方のサインと誓い、証人二人のサインをもって正式な夫婦認定をし、証明書のようなものを発行するという形になっているところです。そのためお役所は結婚用のホールを併設していて、希望の人にはこの結婚の儀式を招待客の前で行うことが出来るようになっています。その他事情によって、役所の係のいる部屋でひっそり婚姻する人もいれば、追加料金を払って自宅に呼ぶ人、ホテルの披露宴に呼んでこの儀式を披露宴のプログラムに組み込む人などさまざまです。
私の友人は最近の都会の結婚式の王道、夕方にお客様をお役所のホールに招待して結婚の手続き、夜はその中から特に親しい人や親戚を招いてレストランで披露宴、というコースでした。
今回、新婦の親族扱いということで結婚式の舞台裏を見ることが出来ましたが、日本と同じで、結婚はずいぶんお金のかかるもののようです。ニシャンと呼ばれる婚約の儀式は、すべて新婦側が取り計らうことになっているそうです。といっても最近では簡略化されていて、両家集まってお食事、という感じだそうです。次にメインの結婚手続きと披露宴の費用、招待状発送などのもろもろすべては、男性側が持つことになっています。ただひとつ、新郎の衣装のみ、新婦の家族が費用を持ちます。
結婚式前夜から新婦の実家に泊まった私は、朝早くからやってきた新婦の声で目が覚めました。簡単な朝食の後、彼女と彼女のお母さんと一緒に美容院へ。お嫁さんが着飾っている間に私たちも髪の毛をブローしてもらいました。この間、新郎はお花屋さんで車を飾ってもらっていたそうです。時間を見計らって、新婦の弟が運転する車で花婿到着。私たちはいったん家に帰って着替えのあと、早めに結婚式会場のお役所へ。新郎新婦は衣装をつけたあと、綺麗に飾られた車で写真館に記念写真を撮りに。
この結婚式用のデコレーション車、トルコに旅行に来た方は見かけたことがあるかもしれません。車の前後に生花のブーケを飾り、これまた派手に車体全体をめぐらせたリボンの端をひらひらとたなびかせて走るのです。ナンバープレートに、二人のイニシャルをハートで囲んだものや「幸せです!!」の文字が踊っていることもあります。運転席には親族の男性誰かが、後部座席には新郎新婦が乗ります。
この「結婚式車」、なんともかわいらしいのですが、とても目立つので運転するほうはとても大変なのだそうです。というのも、お祝い事なのでご祝儀を要求する人がとても多いのだとか。日本だったらご祝儀をいただくのが普通なのでしょうが、ここトルコでは、この車をどこかに駐車しようものなら駐車係の人が「おめでとうございます」とご祝儀を求める手を当然のように差し出してくるし、給油をすればスタンドの人がご祝儀を渡すまでその場を離れず、道を走れば子供たちが車の前に飛び出してきて、ご祝儀要求の嵐なのだそうです。
私は今回親族と一緒に行動していたので、このご祝儀要求の場面に遭遇することがたくさんありましたが、その臆面の無さにものすごく驚きました。「伝統ですからな」といって手を差し出してくるお役所の人や駐車場の人の顔つきに、お祝いの心ではなくたかり屋の卑しさみたいなものを感じたのは、私が日本人だからでしょうか。
でも、さすがに新婦のお父様も、特にお役所のあまりのしつこさに文句を言っていました。会場に駐車するときに後ろから「オーライ、オーライ」といっただけで「お父さん、今日は一つお嬢さんのめでたい日なので」なんて何千円も要求するとしたら、それはやっぱりずうずうしいですよね。披露宴会場のレストランではそういうことはあまり無かったのに、このお役所のひとたちには本当にびっくりでした。
とにかくお祝いムードもちっとも無いまま、ばたばたと時間がすぎてゆきます。新郎新婦も、封筒にお金を入れたご祝儀袋をたくさん用意して、飾られた車で写真館に出かけてゆきました。もちろん、このご祝儀はあとで足りなくなったそうです。午後になって、いよいよ式と披露宴の時間が近づいてきました。スペースが足りなくなってしまったので、友人の幸せな笑顔に感激した披露宴の様子は次回に書きたいと思います。
画像上:結婚式の招待状と、招待客に配られたキャンディの入れ物
画像下:デコレーションされた新郎新婦が乗る車
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