■トルコのクリスマスと新年 2003.12.15 update

今年2003年の断食月は11月24日に終了。それに続いてやってくる砂糖祭りというイスラームのお祭りが終わって、気が付いたらもう12月になっていました。一年が過ぎるのは本当に早いです。今年は最後に来て、あの11月15,20日のイスタンブル連続爆破テロ事件があるなど、トルコにとってはつらい思い出の多い年になってしまいましたが、それを振り切るように街ではクリスマスと新年のデコレーションが始まっています。

トルコはイスラームの人が多い国なので、クリスマスや年末年始は特別何もないのではないかとお思いになる人も多いようですが、街はにぎやかになり、毎年イスタンブルの銀座通りといわれるイスティクラル通りのイルミネーションは毎年ニュースでも話題になります。

またキリスト教の人たちのトルコ訪問も活発になります。実はトルコには、キリスト教の人たちにとっての重要な場所が何箇所も点在しているのです。イスタンブルのような、歴史的に外国人が多く住んでいる町には教会もいくつかあり、クリスマスイヴには荘厳なミサが行われます。私が3年前、中国人のキリスト教信者の友人に誘われて出かけたミサでは、実にさまざまな顔をした人たちがみんなで賛美歌を歌う姿にとても感動しました。もちろん、イスラーム信者らしい人たちも見学に来ていました。

また、クリスマスのシンボルでもあるサンタクロースは、トルコに特別のゆかりがあります。トルコ南部のミュラという町が、サンタクロースとして有名な聖ニコラスの故地とされているのです。ローマ時代の325年にディオクレティアヌス帝のキリスト教迫害によって殉教した聖ニコラスの墓があった場所に、教会が建築されたのです。すでに荒れてしまったとはいえ、モザイク壁画や祭壇が残っているこの教会には、毎年多くのキリスト教信者が訪れています。

そのほかにも、聖パウロ生誕の地として知られる南トルコの町タルススにある井戸の水は聖なる水と呼ばれ、多くの人がその水を求めてやってきています。現在トルコ国民の9割以上の人がイスラーム信者だといわれていますが、サンタクロースに対しては特別の親しみがあるようです。まあ、年末商戦のシンボル化してしまったといっても言い過ぎではないような気もしますが・・・。

トルコの人たちは小さなプレゼントを贈りあうのが大好きです。一度、「きっとお年始とかの習慣はないのよね」と何も用意していなかった私の家のドアに、大晦日の晩、「新年おめでとう」のカードとともに友人からのプレゼントが下がっているのを見つけて驚いたことがあります。トルコの商店街では、クリスマスツリーやサンタクロースの人形は年が明けるまで店頭に飾られ、大晦日までデパートでジングルベルが流れています。日本から来たばかりのころはなんとも奇妙に感じていたのですが、今ではすっかり慣れて、私も12月になると親しい人へのプレゼントをあれこれ考えるのが楽しみです。特に高価なものというのではなく、ちょっとしたものが多いようです。

たとえば去年は、冷蔵庫につけるかわいいマグネットのセットだとか、小さなサボテンなどをいただきました。あとなぜか、私が所属する劇団の社長は、クリスマスに女の子全員に赤い下着をプレゼントしてくださいました。トルコではよくあることなのだそうですが、理由は誰に聞いてもはっきりしたことは分かりませんでした。私も今年のカウントダウンパーティには、下着を配ろうとこっそり計画しています。

もちろん日本のような年末年始のお休みはなく、元日のみが休日となるので、二日からはすべて平常どおり。日本人の私にはちょっと物足りない気もするのですが、ジングルベルの流れるイルミネーションの下を歩くだけでもうきうき気分になれるこの時期が私は大好きです。

2004年がトルコの人たち、日本の人たち、そして世界のすべての人たちにとって、穏やかで幸せな年になりますように、心から祈ります。

画像:イスタンブル一番の繁華街、タクシムのイスティクラル通りのクリスマス用電飾です。


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