日本に比べると交通機関が発達していないギリシャでは、車がないとかなり不便。昔に建てられたアパートには駐車スペースがないので路上駐車をしているが、年々台数が増えてきて道路が車でびっしりになっていくなあと感じられる。
さて今回、私も必要に迫られて自動車教習所に通うことになったのだが、、、生まれて初めての運転をアテネですることがラッキーなのかアンラッキーなのか。
教習所は、パン屋さんほど数は多くないが、近所に3ヵ所見つけることが出来たので、一番近いところに通うことにした。必要書類をそろえ、免許取得に必要な健康診断を受けに近所の医者を訪ねた。それらを提出し、教本のようなものをもらった。これはギリシャ語版と英語版がある。試験問題はこの問題集から抜粋されて30問でる。
学科教習は5、6人の少人数で1日3時間を5回。教科書があるわけではなく、スライドを見ながら問題を解いたり説明を聞いたりする。私も出席したが、休んでも大丈夫らしかった。とりあえず学科試験で30問中29問に正解すればよい。それも、まったくおなじ問題が出る。試験はパソコンで行われ、二択か三択。終了後すぐに合格不合格を言い渡され、不合格だった場合も無料で再試が受けられる。
学科の方はこのような感じで問題なかったが、驚いたのは技能教習の方。レッスン初日、教官が教習所の車で私の自宅下まで迎えに来てくれた。自宅周辺は細い路地が入り組み、路上駐車で道幅が狭くなっている。さっそく運転席に座らせられ出発。ハンドルさばきだけをやっていれば良いといわれたが、まったくの初めてなので緊張しっぱなしであった。曲がり角も多いし、道も狭いし、途中で帰りたくなるくらいの恐怖であった。
しばらくハンドルのみを操作していたが、今度は全て自分でやってみなさいといわれた。もちろん教官の足元にもブレーキやアクセルなどがあるけれど、やはり怖い。とにかくこのように第一回目から路上実技、それもかなり交通量も多く、道も狭い(住んでいる地域にもよるが)。ギリシャには日本のような教習コースがないので、いきなり路上なのだ。
この実技のレッスンは1回90分。教官がいちいち何をするか指示してくれるのでそれに従って運転するわけであるが、、、おしゃべり好きなギリシャ人。信号待ちの間や直進しているときなどいろいろ関係のないことを話しかけてくる。
もちろん運転技術の説明もするのだけれど、私は運転が精一杯で聞くこともままならない。携帯電話が鳴ればかまわず応答して話し込んだり、ラジオを入れたり。電話で話していながらも、指示は出すのでまあ良いのだが、私が事故でも起こしたらどうするんだろうと本当に不安になってしまう。そのことを告げても、「大丈夫。リラックス、リラックス」と答えるのみ。たまに上手く運転できると、「ブラボー!」と言って必要以上にほめてくれる。
90分のレッスンが終わると次の生徒が待つ場所へ私の運転で行き、今度はその生徒が運転席に座って私の自宅前へと送ってくれる。いちいち学校へ戻りそこから家に帰らなくていいのでとても楽なシステムだ。この練習中に次のレッスン日時を決める。大体1週間に2回行う。
こうして10回の練習を終え(さらに学科試験に合格していることが条件) 、実技の試験を受ける。もちろんこの試験も路上(今まで何度も試験が行われる場所で練習していた。地域によって異なる)で行われる。後部座席に2人の試験官が座り、助手席には教官が座る。あらかじめ教官と私の間にはサインが決められていて、口で指示をしない代わりにサインを出すというのがやり方らしい。
まだ試験は受けていないのでどうなるかわからないのだけど、不合格だった場合は再試料(150ユーロ)を支払わなければいけないらしい。これを節約するためかどうかはわからないが、ほとんどの場合、教官と試験官に袖の下を渡すのが慣わしで、そうすることによって一応は免許を取得できることになっている。
実際運転できなければその免許も意味を成さないのだが。この袖の下は、こそこそ行われるわけでもなく、私も学校の事務の係の人から教えてもらった。免許を取得しても路上に出るのに自信がない場合、教官に別料金を払いまた運転を教えてもらうこともできる。
ギリシャで免許を取るためにかかる費用。入会金30ユーロ、健康診断料90ユーロ、学科授業料240ユーロ、実技授業料360ユーロ、実技試験料150ユーロ。プラス袖の下。日本に比べたら安いと思う。これからもどんどん免許を取る人が増え、路上に車があふれるようになるのだろう。事故を起こさないように気をつけなければ。
【追記】3月上旬、夜間の数時間と翌日の午前中、ギリシャ国営の電力会社がストライキを決行。ちょうどその時、運転レッスン中であった。信号機が作動しない! そんな状態でもレッスンは行われた。
画像上右:学校がくれる問題集。教材はこの1冊のみ。選択肢問題。明らかに正解を選択できるような簡単な問題が70%くらいに思う(わかる人が見たら全て簡単なのだろうが)。
画像上左:教習所の車は上に教習所と書かれたプレートを帽子のように載せているのですぐにわかる。通常、プレートには運転学校(スホリオディゴン)という意味のギリシャ語と、教官の名前や教習所名、電話番号などが記載されている。教習中であると知らせると同時に、宣伝の意味も込められているのだろう。初心者はアルファベットの「N 」マークをつける(NEO:ギリシャ語でNEWの意味)。
画像中、下左:実技は、はじめからこのような道路にでる。路上に車がびっしり止まっているので、どこが歩道かなんて想像するしかない。
画像下右:アパートの2階部分が自動車教習所。受付と学科授業用の部屋、試験問題を勉強できるパソコンが数台置いてある部屋がある。
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