■ギリシャでの初出産 2007.6.19 update

日本に比べて高額な診察料を払い産科医にみてもらうこと10ヶ月。感動の出産が無事終了しました。今回はギリシャでの出産について書こうと思います。

私の出産は『破水』で始まり、タクシーを呼び病院へ向かいました。アテネの交通渋滞はひどいもので、救急車が渋滞に飲まれて立ち往生している姿を良く見かけます。救急車に乗ってはいないものの、早く病院へたどり着きたいのに、いつもの渋滞に巻き込まれ、居ても立ってもいられませんでした。

タクシーのドライバーはいつものように荒い運転をして飛ばしたりはせず、「こんな時、事故起こしたら大変だからゆっくり安全運転で行くから任せておけ」という台詞の通り無駄にゆっくりと運転をしていました。不安で無口になる私に、盛んに話しかけてくるのですがそれどころではありません。今思うとあれでも彼なりに気を使って私を和ませてくれていたのでしょう。

病院に着くと、助産婦さんに破水かどうかを確かめてもらい、その後はシャワーを浴びて指定の白衣(丈の短いシャツ)を着るようにいわれました。私は麻酔を使わず産みたいという希望があり(ギリシャでは95%の人が無痛分娩を希望しています)、担当の助産婦さんも決めてレッスンもしていたので、早速その助産婦さんがやってきました。彼女と夫が付き添って陣痛を乗り越え、無事出産となりました。

感動の出産を無事終えた後は、スタッフにより病室へ案内されます。私の選んだ病室は6人部屋です。ベッドの間にはカーテンもなくプライバシーはまったくない病室です。出産後の疲れた身体にこんな病室での生活が耐えられるかと心配になりました。出産後2時間程度で病室に移され、看護婦さんか誰かが来てくれるのかと思っていたのですが、結局だれも見回りに来てくれないうちに夜が明けてしまいました。

午前最初の授乳になるまで、赤ちゃんと会うことが出来ず、これはかなりつらかったです。何度もナースコールで赤ちゃんにあわせてほしいと頼んだのですが、「まだ準備が出来ていない」とそっけなく断られるばかりでした。昼間に産んだ人たちはすぐに赤ちゃんを病室に連れてきていたところを見ると、私の場合は夜間だったので人手がなかったんだなと今思います。

この病院は私立の病院なので、公立に比べて清潔でサービスがよいといわれています。まず、朝一番で「シーツを交換するのでベッドから出てください」とスタッフが疲れて眠っている私を起こします。その後一息ついたかと思うと、掃除機をかける人、モップをかける人、窓を拭く人、壁を拭く人と入れ替わり立ち代り掃除の人が入ってきます。それと同時に朝食も運ばれてくるのです。この大掃除のような掃除が毎日続きますので、病室は清潔です。

看護婦さん助産婦さんの対応についてはどうでしょう。一応一日に1、2回は見回りに来て体調を聞いてくれるのですが、自分から訴えない限り相手は丁寧に見てくれないように感じました。体がつらくて何度もナースコールをするのですが、すぐに来てくれることはなく、いつも忘れたころにやってきます。これには参りました。

4日間の入院生活で一番カルチャーショックを受けたことは「面会」です。午前10時から午後1時、午後6時から午後9時が面会時間です。この指定された時間、病室、廊下は親族や友人であふれかえります。一人の産婦さんにつき大体平均5人くらいの面会者が常にベッドの周りにいるのですから、6人部屋にいた私はとても疲れてしまいました。大声で話し、笑い、大変な騒ぎです。

この面会時間以外にも、産婦の夫だけは病室に入ることが黙認されているようで、朝から晩まで付きっ切りという夫もいました。もちろん、授乳の時間にも部屋から出たりはしません。唯一夫でさえも部屋から出なければいけないのは、産婦に対する処置が行われるときです。そういう時は看護婦さんたちが「処置があるので部屋から出てください」と言って、面会者を追い出します。座薬を入れたり、消毒をしたり、さらには内診のような処置でさえもカーテンなどの仕切りのない大部屋で行われます。見ようとは思いませんが、お互い丸見え状態です。日本では考えられませんね。結局こういう処置にも慣れてしまいましたが。

退院後は各自で、小児科医を訪れることになります。近所にある小児科医へ電話で予約をすると、家まで来てくれるということでした。新生児のうちはほとんどの小児科医が往診してくれるので安心です。もちろんこの場合も公的保険は利きません。一回の往診につき、60ユーロ支払います。初めての往診は退院後2日目に行いました。一般的な検査を行い、授乳方法、入浴のさせ方、さまざまな質問に丁寧に答えてくれます。また、携帯の電話番号を渡され、必要なときはいつでも電話で応対してくれます。こういうところは大変ありがたいです。

画像説明文:小児科医の自宅訪問。体重計やさまざまな道具を持って家に来てくれる。全ての仕事が終わった後に来るので、時間が遅い。大体夜9時半ごろ来て1時間ほど見てくれる。


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