■ギリシャ人の健康に危機 2006.11.21 update

ギリシャ、地中海料理といえば、日本でも健康的な食生活として知られていますが、実際ギリシャに住んでみて、疑問に思うことがいくつかありました。絶対に、この食生活を続けたら早死にするか生活習慣病にかかるに違いないし、その前にこんな不健康な生活は私には出来ないと思いました。そんなときに、ギリシャの有力紙「カシメリニ」にギリシャ人の食生活と平均寿命の短縮が記事になっていました。

それによると、過去には平均寿命が世界第3位だったのに、今では世界第15位、10歳も平均寿命が下がったということです。理由は、、、
・赤身の肉の過剰摂取(鶏肉や魚介類はほとんど食べない)
・タバコの吸い過ぎ(18歳から34歳1,000人にアンケートしたところ、44%が喫煙者)
・運動不足
・朝食を取らない。甘いものの過剰摂取。

私の家族親せきを例にとっても、明らかに食べすぎ(肉類や砂糖)、運動不足です。肉屋へ行くと1キロ、2キロ単位で赤身の肉を買っていたり、パック詰めの肉でも大体800グラムから1キロ以上はあります。その上、食卓にはギリシャの脂肪分の高いフェタチーズなどは必需品ですし、サラダや料理には多すぎるほどのオリーブオイルが使われています。魚は肉に比べると高価だからか、あまり自宅で食べる人は少ないようです。けれど、タベルナ(ギリシャ風居酒屋)などで出される魚料理は大体がフライです。

ギリシャ人は、どこでもタバコを吸います。公共のバスの運転手でさえ、車内は禁煙なのに堂々とタバコを吸うし、病院であっても同様です。タバコ、副流煙の害を知らないに違いありません。ギリシャのドラマでも日本のドラマ以上にタバコを吸うシーンがあります。レストラン、カフェでも非禁煙席というものがあっても、煙を隔てる空調があるわけでもないので意味がありません。それどころか、非禁煙席マークのテーブルにもしっかり灰皿が用意されています。

タバコの値段は他のEU国に比べ格段に安く、ギリシャ産の安い銘柄だと25本入りで2ユーロほどです。ちなみにマルボロは3ユーロ程度だったと思います。タバコを吸う人のマナーもまったくなく、浜辺や道路わきにはタバコの吸殻がたくさん捨てられています。

今でこそ、地下鉄が3線になりましたが、ギリシャはまだまだ車社会です。いつ来るかわからないバスを待つよりも、車で出かけるほうが格段に効率はいいわけです。そのため、車を持っている人はあまり歩くことがないようです。ギリシャ男性の35%、女性の45%は1週間のうちに30分さえも歩かないという調査結果が出ているそうです。私の主人を考えてみても、確かに歩くのは、駐車場から家の玄関までという感じです。スポーツクラブなどに頻繁に通い体を鍛える人もいる一方、何も運動しない人は本当に動いていません。

ギリシャ人は、14時ごろにメインの食事をするので寝る前にお腹がすくようです。22時ごろにスブラキやピザなどを平気で食べています。そのため翌朝は胃がもたれているのか、何も食べません。そのまま出勤し、10時くらいに油でギトギトのチーズが入ったパイなどを食べてしまうのです。それに、甘いものが大好きで、日本人の甘いと感じるお菓子の5倍くらいの甘さのものをペロリと食べてしまいます。

最後に、ギリシャ人の平均寿命が下がった理由として、予防医学が進んでいないということも挙げられていました。経済状態が悪いギリシャでは、日本のような健康保険も整っていないし、公立病院の数も少ないので、国民は自費で治療や検査をする羽目になります。健康診断目的の自発的な検査は自費になることが多いので、たいていの国民は体に異変が起きるまで何の検査もせずにすごします。職場の健康診断や地方団体の検診が当たり前になっている日本では考えられません。ちなみに、先日私が受けた血液と尿検査は200ユーロでした。

現在のギリシャ人の食事や生活を見ていると、オリーブオイルは健康にいいということや、ギリシャ人はストレスもためず長生きするということが神話のように感じられます。

【追記】ギリシャ人は、赤身の肉を大量に摂取するくせに、ほとんどの人が卵の摂取量に異常に敏感で、「卵は週に2個まで」といっている。あれだけ脂身の乗った肉を食べつつ、卵には過剰に反応する理由がわからない。

画像右上:肉料理の付け合せにはいつも大量のジャガイモがつき、さらにパンも食べるのがギリシャ風。オーブン料理でさえも、大量のオリーブオイルを降りかけて焼き上げる。
画像左上:付け合せの野菜は、このように丸ごとボイルしたものが多い。ブロッコリー、カリフラワー、ズッキーニなど、どれもくたくたになるまで茹で、レモンとオリーブオイルでいただく。
画像右中:冬の定番、キャベツとにんじんのサラダ。トマトなどの夏野菜が高価になる冬には、トマトのサラダに変わって、千切りキャベツとにんじんのサラダに。ビネガーとオリーブオイルで食べるのだが、キャベツが甘くてとてもおいしい。
画像左中:チキンスープ。丸ごと一羽の鶏肉からだしをとり、レモンと卵で味付けたもので、お米も入っている。風邪を引いたときや寒い冬に良く食べられるスープ。もちろんこれにもオリーブオイルと鶏の油がたっぷり。
画像右下:ギリシャ人の娯楽の代表は、外食。車で3時間かけて田舎に行っても、結局メインは食事ということがほとんど。テーブルにあるものは、ヨーグルトのディップ、チーズのフライ、サラダ、ムール貝、イカのフライ、ポテト。これらは前菜で、このあとそれぞれの頼んだメイン料理が登場する。
画像左下:ギリシャのケーキは異様に甘く、日本人には受け入れにくい味。シロップなのかオリーブオイルなのかわからない液体がスポンジに大量に含まれているので、スプーンでケーキを食べる。


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