| この間、迷子になりました。というのは、時間があったので、今までにやってみたいなあと思った事をしたのです。それは、単に知らない場所に行ってみる、しかも交通手段はバス。行き先は同じアテネ市内、普段あまり行かない所で、 これといって何がある訳でもない住宅地。どうしてそんな所に行ってみたかったと聞かれれば、もちろん理由は無いのですが、地図を眺めるのが好きな私は、やっぱりこの目でアテネを走る色々な道路をバスに揺られてみたかったのです。
始発から乗り込んだバスは、アテネの中心部を抜ける前に右手にゼウス神殿、右後方にはアテネで一番高いリカビトスの丘を眺めます。見慣れた風景です。ブリャグメニ大通りを通り、道幅が広くなった頃にはもう周りは住宅だらけです。どんどんと住宅街の中にバスは進んで行きます。午後3時という時間、バスの中にいるのは仕事を終えたであろう勤め人数人、ちょっと買い物にでも行ってきたような年配のカップルや孫を連れたおばあちゃん。お昼寝の時間帯なので、あまり込んではいませんでした。
終点に近づくにつれて、乗客は少なくなります。終点の数駅手前でバスから降りました。同じアテネ市内でも少し自分の行動範囲から離れた所に行くと、感じが違います。アノイリオポリというアテネを囲んでいるイミトゥ山にあるこの地域は、割と新しい住宅が多く、そんな奇麗な家を見ながらどんどん歩いて行きました。時間帯がシエスタ(昼寝)中だったので、お店はシャッターが閉められ、人通りもありません。家々を見て歩き回ったので、バス停からだいぶ離れてしまったようです。困りました。勘をたよりにバス停の方向へ歩きましたが、バス停は見つかりません。地図も持っていないので、聞くに聞けない。足は疲れるし、タクシーを拾う気にもなりません。
とりあえず、道行く人に出会ったらバス停への行き方を聞こうと思い続けがんばりましたが、誰もいないのです。まさにゴーストタウン。日本でも郊外へ行けば行くほど、待ちを歩く人の数は減るのでしょうが、今私が一人歩き回っているのはちゃんと商店もある住宅街なのです。子供達が外で遊んでいたって可笑しくないのではないかと、思いましたが、誰もいませんでした。ギリシャでは、土曜日曜の午後は特に住宅街から人の気配が消えてしまいます。
結局、周りに人の姿を発見しないまま、運良くバス停を見つけました。バス停にはちゃんとバスを待っている人たちがいるので、それをみたときは、「ああ、今日は別に特別の日ではなかったんだな。ただ、人通りがなかっただけなんだ」と感じました。今までに気がつかなかったことでした。それ以来、家の近所でもやはり午後の数時間街が閑散としている時間帯があることを改めて感じました。
このようなことは今までに数回ありました。運良く通行人に遭遇した場合どうなるか。ギリシャ人はたとえ言葉がわからなくても親切に教えてくれます。例えば、道を聞かれた人がわからなかった時は、その人が責任を持って別の通行人を捕まえて一緒になって考えてくれます。わからない道について考えると言うのも可笑しな話ですが 、実際にあるのです。もしくはお互いに自分が正しいと思っているので、意見が分かれた場合ちょっとした衝突になるでしょう。自分の質問のために、皆ががんばってくれていると思うと、もう自分で何とかするので結構ですよと思いながらもほほえましい。
でも、それにしても人っ子一人いない街と言うのは不思議な感じ。ちなみにそんな時間帯はいつもとことこ歩き回っている野良犬もどこかへ行ってしまい見かけない
画像右上:住宅地の中にある広場。
画像左上:朝、出勤時の様子。アテネの朝は毎日渋滞。
画像右下:住宅地の小さな道にはずらっと車が並ぶ。駐車場の数が少ないため。
画像左下:日中、人通りの少ない道。
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