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アテネ大学でギリシャ語を学んでいる私は、日本の学校とギリシャの学校を比べて、驚いてばかりです。今回は、アテネ大学の外国人向けのギリシャ語コースに在籍している私が見た、大学の様子を報告します。
ギリシャには私立の大学はなく、全て国立で、その数も日本に比べて大変少ないです。アテネの西イミトス山に位置するアテネ大学キャンパスへは、アテネ中心地からバスに乗るか、もしくは自家用車での通学になります。私は毎日この授業に行っているのですが、バスでの通学は大変面倒なものです。
大学のあるゾグラフ地区と言うところへは地下鉄が走っていないため、バスはいつでも満員で、さらにこの地区は住宅や商店が密集していて道幅も狭いのでいつも混んでいます。やっとの思いで、大学に到着するとバス停からは急な坂道を5分ほど登ったところに、アテネ大学の建物が広がります。
学部ごとにいくつかの大きなビルが建っていて、その一つ一つはとても巨大です。ギリシャ語コースのあるフィロゾフィキ学部は約20年前に立てられたものですが、内部はげんなりしてしまうほど老朽化しているというか汚いです。ギリシャの国家の手で建てられるとこうも雑になるのか、と思ってしまいます。
建物は9階建てで迷路のようにいくつもの教室が並びます。私の教室は6階なのですが、エレベーターはとても遅く、待っても、待っても来ないことがほとんどです。階段を使って昇っていくと、フロアに犬の足跡があります。コンクリートを流し固まる前にどこかの捨て犬が散歩でもしたようです。日本ではありえませんね。
18時からの授業ですが、先生がやってくるのは18時半くらいです。30分も遅刻です。初めのころは、生徒たちはきちんと時間には集まっていたのですが、先生が来ないので、皆その時間にあわせてくるようになりました。たまたま先生が少し早く来て、生徒が少ないと、「ちょっとカフェテリアに行ってコーヒーを買ってくるので待っていてね」なんて言って出て行ってしまいます。時間にルーズなのは先生も例外ではないようです。
喫煙天国のギリシャなので、大学内はどこでも喫煙可能です。それなのに灰皿は見当たりません。一応、この大学は建物内で、青空教室ではないはずなのに、学生、教授そこらじゅうでタバコを吸っては灰を落としています。教室内ではさすがに吸わないけれども、授業が終わると部屋から出る前にタバコに火をつける先生もいます。
トイレですが、これもまた例外にもれず汚いものです。これでもヨーロッパの一員といえるのだろうかと思うくらいです。日本の駅前トイレくらいのレベルの汚さです。まずトイレに入ると悪臭が来ます。床は汚れていて、その汚れが汚物の可能性もあるほどです。電気が切れていてもすぐには補充されず、2週間くらい真っ暗闇のこともありました。ちり紙などというものは用意されていませんので、ティッシュを持参する必要があります。日本の義務教育では、トイレ掃除も生徒の役目ですが、改めて、そのことの大切さがわかりました(電気が切れていても補充されないのは、トイレだけではなく教室も同じです)。
休憩時間にはカフェテリアが賑わいます。特に安いわけでもなく、普通の値段で普通の軽食が売られています。まずレジで欲しいもののお金を払い、そのレシートを持って別のところへならびます。列などないので、誰もが我先にと注文します。混んでいるとかなり待たないといけないので、休憩時間も終わってしまうほどです。大学の内部では、たまに出稼ぎ外国人や学生が海賊版のCDを売っていたり、バンドの演奏が突然始まったり何でもありです。広い芝生やきれいなレストランがあるわけではないので、私はこの大学の雰囲気が好きではありません。
このコースは10月から6月までなのですが、突然の休校が今までに何日もありびっくりしてしまいました。少し雪が降っただけで3日間休校になったり、バスのストライキがあれば皆出てくることができないので休校になったり。授業をサボらなくても、11月や2月のように国民の祝日のない月には、ストライキが起こるので、また休みになります。大学がこの調子なら、義務教育の小中学校も同じです。ギリシャでは小さなうちから学校のほか、塾に通う子供が大勢います。学校がこんな調子なので、学校に任せておいただけでは進学できないのでしょうか。改めて日本の教育のよさを感じます。
画像上/画像下:法学部教室の様子。この教室はアテネ中心部にある。比較的室内はきれい。授業には好きな時に来て、用事があれば途中退室もあり。
□関連記事
・各国いまどき報告「アテネ大学のこと」(尾柴広紀/2003.11.17)
・各国いまどき報告「アテネ大学、卒業の日」(尾柴広紀/2004.3.15)
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