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3月3日、日本ではひな祭りのこの日、ギリシャでも「チクノペンプティ」というお祭りのようなものがある。どんなことをする日なの?と聞くと、「肉を食べる日だよ。肉をね!」と彼は言う。「肉なら毎日食べてるじゃないか」と言い返し、本来のチクノペンプティの意味を探ってみた。返ってきた答えは「肉は肉でも、今日はバーベキューをする日なの」と彼。「じゃあ、焦げて黒くなったおいしい肉が食べれるのだね?」…毎日のように食べている気がするが。
この日はギリシャでは友人、家族、親戚など大勢で本当に肉を食べに行く。住宅街の路上ではバーベキューをやっているところもある。肉料理専門のレストランからは炭火焼の肉のにおいが漂ってくる。夕食を遅い時間にとるギリシャ人。この日、私も友人たちと出かけることになっていた。集合時間は23時半。翌朝朝6時には家を出なければいけない仕事があったので、あまり行きたくはなかった。23時半なんて遅すぎるではないか(一日一日を楽しみ、翌日のことはあまり考えないギリシャ人にとっては、明日仕事があってもなくても楽しければ関係ないのだ)。
聞けば、レストランはどこも満員でその時間しか予約ができなかったということだった。本当にみんな外食するのだ。23時半になるまであと数時間、友人たちとコーヒーを飲む。余談だが、ギリシャのコーヒーは収入に対してかなり高い。この日飲んだインスタントコーヒー(!)は私の給料の100分の1くらいの値段だ。手取り20万円の人が2千円のコーヒーを毎日のように飲みますか? でも、ギリシャでは普通なことです。
話はそれましたが、いよいよ23時半、予約したタベルナに向かった。店の中はまだ満員で、ウェイターが大皿に山と積んだ肉(ラム、チキン、ソーセージ、ビフテキと何でも)を次々と運んでいた。席に着くとまず、ハウスワインとザジキ(ヨーグルトディップ)、サラダなどで始める。炭火で焼いた焼き立ての肉の山盛りが次々と運ばれてくる。豪快な肉なのでナイフなど使っていられないからみんな手で食べている。
翌日、再度友人にチクノペンプティの意味を聞いてみたところ、「昔、ギリシャの家庭では毎日家庭の主婦が料理をしていた。たまには外食でもしたいと思った彼女たちは、ある日相談して肉を真っ黒に焦がして家族に出したという。そんな黒焦げの肉は食べられないということで、家の主は家族を外食に連れて行った。だからチクノペンプティには外でバーベキューを食べるんだ」というそうだ。家でバーベキューじゃ意味がないのだという。しかし、今ではこのような話よりも、バーベキューを食べる日というほうが一般的だ。3月14日以降、イースターまで、敬虔なギリシャ正教信者は肉類を取らない。カサリデフテラ(聖灰月曜日)といわれるこの日には、またまた家族総出でシーフード類を食べに出かける。食事はギリシャでは本当に娯楽だ。
画像上:炭火でじっくりと焼かれるラム。
画像中:庶民的なタベルナの店内。撮影時刻は深夜3時ごろ。それでもまだ飲み食べ続ける人もいる。
画像下:たらふく食べ終えたあとのギリシャ人。肉料理のあとには甘いデザートが口直しで運ばれてくる。
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