■理解できない習慣 2005.2.21 update

ギリシャに住んで慣れないことはたくさんあるが、郷に入れば郷に従え、ということでこの国の習慣に従っている。たとえば、食材はキロ単位、最低でも半キロは買うように、配水管が細いためトイレットペーパーを便器に流せないから、汚物入れに捨てること。30分から1時間の停電が頻繁に起こるが、あきらめること。テレビ番組は時間通りに始まることのほうが少ないということ。地下鉄やバスに乗るとき、降りる人が先という概念がなく、我先にということ。実際、乗り降りする人がお互いに譲らないと、かえって時間がかかり、日本の感覚で降りる人が先と思い乗らずに待っていると、自分ひとりそうしているのも馬鹿馬鹿しくなるので、最近はギリシャ風にしている。

ここでひとつどうしてもどうしても理解できないことがある。バス、地下鉄での乗客の座り方だ。ギリシャの座席は、二人用の椅子が主だ。バスは二人用の椅子が前から後ろまで並んで左右にあり(ちょうど日本のバスと同じ)、地下鉄は向かい合っているものが左右に並んでいる。始発の駅、まだ乗り物の中には誰も乗っていない。だんだんと乗客がやってくる。90%の人が、通路側に席を取る。その後、各駅からたくさんの人が乗車してくるが、通路側の席はすべて埋まってしまっているため、あとからやってきた人は立つことになる。さらにもっと込んでくると、やっと窓側にも人が入るようになる。どうやって? 一番手っ取り早く普通なのが、通路側の人が腰を上げて窓側に移り、新しい乗客に通路側の席を譲るということだと思うのだが、ギリシャではそれは10%くらいしかありえない。

一番一般的な方法としては、まず立っている人が、「すみません。座りたいのですが?」と通路側の乗客にお伺いを立てる。が、通路側の乗客は重い腰を上げない! 普通なら、一度立って脇にずれるかして(何しろ、ボックスシートだったり、前のシートとの間隔が狭いから)スペースを作り移動できるようにすると思うのだが。ギリシャ人でこれをやる人は10%くらい。残り大多数は、申し訳なさ程度につま先を立てて体を小さくして、前にスペースを作った振りをしている。

そのやり取りが、小柄な人間同士で行われるのなら、まあ許せるが、どんなに大きな体の人でも動かない。明らかに動けないというようなスペースで強引に前後の人にカバンをぶつけながら、通路側の人の顔面に大きなお尻をすれすれにつけながら、座るのだ。窓側の人が通路側の人より先に下車するときも同じ。明らかに100%以上、通路側の人がさっと立つか、100歩譲って腰を上げるかした方が効率はいいのだが。

地下鉄の場合もっとひどい。通路側・窓側の乗客の動きはバスの場合と基本的に同じなのだが、もっと頻度は低い。なぜなら、こちらはボックス型のシートのため、はじめに通路側の前後に人が座ってしまうともう窓側に行くスペースがないのだ。はじめに座る人が窓側に座れば4人が腰掛けられるのに。はじめに乗った2人が入り口をシャットアウトしている。

若者であっても高齢であっても、男女関係なく、体型も関係なく、誰もがそうしている。だいたい、大きな体をした二人が向かい合っていてスペースがないところをわざわざ通り抜けて窓側に座ろうと思う人も少ないようで、混んだ地下鉄の中でも、窓側の席が空いていることが多い。

画像上:ローカルバスの内部。まだ誰も乗っていないので、日本のものと変わりませんが。乗客が入りだすと、みんな通路側に座ってしまうのです。
画像中:ギリシャの長距離移動は、鉄道よりもバスが便利。アテネ市内には大きなターミナルが2つあり、各地方都市へのバスが出ている。
画像下:2月に入り、寒い日が続く山間部では雪が積もり、ギリシャの違った面も見える。


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