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1月21日、フロリナという町に向かう途中によったガソリンスタンドは、店員の女性一人だけで、他のお客が立ち寄った形跡も無く、ただ降り続く雪によって真っ白になったトラクターしかありませんでした。ガソリンを入れ、タイヤの空気を少し足し、目的地へいざ出発となり、10分車を走らせたところで、ぼたん雪が猛吹雪へと変わり、視界ゼロになってしまい、予定を変更し、ヴェリアという平野の町へと向かうことになりました。
ヴェリアへ向かう間も雪は降り続き、コザンニから先のナショナルロードは濃霧で、またしても視界ゼロの中、何とかヴェリアにつきました。ヴェリアのホテルで、TVニュースを見ると、全国的に悪天候のため各地で電気が停まったり、道路が使用できないという話でした。その中で、最初の目的地だったフロリナは、大雪のため完全に道路を走れないという状態でした。『雨男』である私が呼んだであろう、今年最初のギリシアの『猛吹雪』でした。
北ギリシアはギリシア第二の都市であるテッサロニキを中心に、ブルガリア、アルバニアなどと国境を接する地域で、木々の多い山とずっと遠くまで見渡せるほど広い平野からなっています。アテネやペロポネソス半島では見ないような川や森林などの自然が残り、他のギリシアのイメージとは違う雰囲気を持った所なのですが、今回の旅の目的は北ギリシアにある遺跡を見に行く事でした。
アレクサンダー大王が生まれたペラや、彼の父フィリポス2世の墓が発見されたヴェルギナなど、非常に興味深い遺跡がいくつかあり、ヴェルギナではここにしか残っていないという、古代の絵画を見ることができました。訪ねた考古学博物館はそれぞれ驚くほど精巧な物がたくさん陳列されていて、テッサロニキではテルヴェニで発見されたクラテール(混酒器)の芸術的高さに驚き、ヴェルギナではフィリポス2世の墓から発見された品々の黄金の耀きにこの時代の繁栄を目にすることができました。しかし、当たり前ですが、目的地である古代遺跡は外にあるため、雪がその礎石を隠してしまい、充分見ることができませんでした。北ギリシアの神様が『また、違う季節に来てね』と言っているような気分でした。
旅行の最後の日、テッサロニキの南に位置するハルキディキ半島の遺跡から、まだ雪が残る道路を通りテッサロニキヘ戻ってきました。アテネへ戻る電車の時間は夜の11時。テッサロニキで最後の夕食を取ることになり、アリストテレス広場のそばにある中央市場の中のレストランに入りました。外の気温はマイナスだったので、急いで決めたお店は、夕方8時だったのでまだお客がそれほどいませんでした。けれども時間がたつに連れ、店はにぎわい始め、結局満員のお店の中、ギターとブズキの生演奏まで始まり、急いで決めたお店は実は旅行中で一番良いお店でした。
白ワインを飲みながら、ギリシア音楽を聞き、アテネではなかなかお目にかかれないチーズフォンドュとタルタルソースつきの魚の揚げ物、いい味付けをしてあったムール貝を食べ、雪という悪天候に悩まされた北ギリシア旅行にとって最高の締めくくりとなりました。終わりよければ、全て良し、という感じです。
北ギリシアはまだまだ日本の観光客の方にはなじみの無い地方かも知れませんが、これから徐々にギリシア国内の道路や鉄道が整備されて、もっとアクセスしやすくなると思います。時間のある方は是非是非、違うギリシアの風景を見て下さい!!
画像上:雪に埋もれたディオンの劇場、後ろの山がオリンポス山
画像中:エデサの滝
画像下:テッサロニキの白い塔
【短信】現在のギリシアですが、8月からのオリンピックに関する話題はもちろんの事、それ以上に関心があるのは3月7日に迫った総選挙です。テレビは毎日どちらが勝つか、過去の実績もしくは汚点などを放送しています。政治に対するギリシア人の意識は非常に高いのがよくわかります。(1/29)
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