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ヨーロッパのサッカーは日本に比べると、そのファンとチームとの関係が非常に近く感じられます。ヨーロッパはどこの国でも、その地域に定着したサッカークラブがあり、それをまるでわが身のように大切に、勝った時は体中で喜び、負けた時はこの世の終わりかのように悲しみに暮れてしまう、それほどファンとチームは固い絆で結びついているようです。これはギリシアの場合にも当てはまります。日本では、ギリシアのサッカーについての情報はほとんど無いと思いますが、ギリシアのサッカーリーグは、国民の関心の高さという点で他のヨーロッパのリーグに負けていません。
ファンについて述べる前に簡単にギリシアのサッカーリーグについて述べてみます。ギリシアのサッカーチームは全国どこの都市にでもあり、その中で上位16チームが現在トップリーグとして展開されています。そのリーグのほかにカップ戦もあり、これはトーナメント方式でリーグ戦と平行して行われています。
ギリシアのサッカーチームで特に人気のあるチームは3つ。それぞれ、緑、黄色、赤というユニフォームの色を特徴としたチームです。まず、緑のチーム、パナシナイコス アテネ。三つ葉をチームのシンボルとしていて、ホームスタジアムはアテネの中心にあります。次に、黄色のチーム、AEK(アエク)アテネ。このチームは、アテネの北の方にホームスタジアムを持ちます。チームのシンボルはギリシア正教のシンボルでもある『双頭の鷲』で、チームとしてはパナシナイコスよりも新しいチームです。最後に赤のチーム、オリンビアコス ピレアス。ホームスタジアムはアテネ市内から電車で30分弱のところに位置するピレアス港の近くにあります。チームのシンボルは、月桂樹の草冠をした青年の横顔です。
他にもいくつかギリシア人が特に応援するチームはありますが、全体の割合として、この『緑』『黄色』『赤』の3チームがファンを分け合っているという感じです。
この3チームの直接対決の日にはスタジアムに詰め掛けるか、もしくは、町のカフェで観戦するかで、この時はギリシア人がテレビ画面に向かいながら一喜一憂する姿がどこでも見られます。そのような日はテレビの設置してあるカフェは満員になります。外部の人間が見ると、『何が起こったのか?』と驚くほどの大声でみんなが叫んでいるのですが、それは決して喧嘩をしているわけではなく、サッカーに夢中になっている人たちの叫び声です。
さて、ギリシアのサッカーファンについての話に戻ります。私がよくギリシア人に聞かれる質問の一つに、『おまえはどこのチームだ?』というのがあります。これはもちろん『おまえはギリシア国内のサッカーチームはどこが好きだ?』という質問を省略した形です。これに対し、『まだ良く知らない』と答えると、大体の人が自分の好きなチームを薦めます。『ギリシャサッカーはパナシナイコスだけ知っていれば良い!』『AEKが一番強いぞ!』『オリンビアコスが最高のチームだ!』などなど、それぞれの人が熱弁を持って、どうしてそのチームが良いのかについて、いくらでも説明してくれます。その多くの場合が完全な個人的感情に従ったものです。彼らは本当に心の奥底からそのチームが好きなのでしょう。
しかし、そのチームへの感情が爆発し、フーリガン的行為が絶えないのも一つの事実です。昨年から、頻繁に起こっていることの一つに、審判のミスジャッジに対し、試合後暴動が起きるということがあります。その時は、スタジアムの椅子は破壊され、それをグランドに投げ入れるファンや、発煙筒か何かによってスタジアムの一部が燃えてしまうこともあリます。また、大事な試合の前には(例えばパナシナイコスvsオリンビアコスなど)、ファン同士が試合会場の外で衝突したり、または警察とファンの衝突が起こったりもします。
これらは感情の高揚の行き過ぎたものの現れですが、しかし、好きなチームを愛し、心の奥底からチームと一体になれるファンの精神というのが、現代ギリシア人が、『よりリアルな人間の生を生きている』というのを表しているのではないかな、と私は思います。もちろん行き過ぎはだめだと思いますが…
画像上:アテネの中心部にあるパナシナイコススタジアム
画像中、下:プラカ地区の中の土産物屋にかかっているユニフォームとアクロポリスの風景、オリンビアコスのオフィシャルサポーターショップです。
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