■生活に根ざす収賄の根 2009.2.10 update

2004年12月に「袖の下で生活を円滑にする」という記事を書きました。今回はその中級偏です。

その1:車検で
ロシアで新車を購入して、初めての車検はいつ受けないといけないと思いますか? なんと、ロシアでは新車を買ってから1ヶ月以内に車検を受けないといけないのです。新車なので欠陥はないはずなのですが、なぜ!?

ロシア製の車は、新車でも欠陥がよくあるという理由と、車検は警察系の機関が行っており、国に金が落ちる仕組みになっているのです。車を買う金があるくらいだから、車検にかかる金なんて惜しまないだろうとのもくろみでしょうか。現在、車検にかかるコストは、健康であるという診断証が約3,000円と車検費約4,000円で合わせて7,000円程度。ただし、これは運よく一発で通った場合で、欠陥が見つかった場合には、当たり前ですが、それに加えて修理費もかかります。

最近、日本製の新車を買った友人が、車検を受けたときの話をしてくれました。まず、診療所へ診察に行きました。これは、指定の診療所へ行き、車検用の証明と言えば直ぐにやってくれる診察で、お金を払って紙を買うようなもの。私の友人の場合、5分で終わったそうです。多少視力や聴力が悪くても追加料金を払えばクリアできるとか。

それから、車検の本番です。新車なので問題ないことは確信しつつも、ロシアということで、心の準備はしていたようです。案の定、フォグランプが少し上向きだから直す必要があると指摘されたそうです。オプションで購入したフォグランプなんて滅多に使わないし、少しぐらい上向きでも問題ないはず。でも、これを直さないと車検は通さないと試験官は引かなかったそうです。

新車なので保証期間中は無料で調整してもらうことができるのですが、それにはディーラーまで行かなければなりません。やむを得ず、試験官に賄賂を1,000円握らせたところ、見逃してくれたそうです。見逃してくれたのか、それとも最初から異常なんてなかったのかは、ロシアでは誰も気にしません。車検自体は、10分ぐらいで終わるようです。大抵、みんなこうして車検を受けています。ロシアで交通事故が多いのも納得できます。

その2:ゴミ処理
最近、仕事の関係で現地の食品メーカーを訪れました。この会社は、年に2千トン余りの生ゴミを排出しているので、その生ゴミの量を日本の技術で減らしてあげようと提案したのでした。現在、この会社は、トラックを手配して、生ゴミを特別なゴミ処理場に持って行き、有料で引き取ってもらっています。排出されるゴミの量が減れば、トラックを手配する回数も減り、ゴミ処理場に払う金も減るから、コスト削減で喜んで飛びつくだろうと思ったのでした。が、そんなに簡単なものではありませんでした。

この会社の排出する生ゴミの量は、市の衛生局が調べて登録されています。登録されている量のゴミをゴミ処理場へ持っていき、そこでその量を渡したという証明をもらわないと、会社はどこかに不法投棄したことになり問題となる。衛生局とゴミ処理場とトラック業者が癒着していて、いきなりゴミの量が減ると、利益が減るゴミ処理場やトラック業者が衛生局に働きかけ、この食品メーカーが衛生局から調査などの嫌がらせを受けるというのです。まずは、生ゴミが少なくなる技術を衛生局に説明に行って、そこで職員に賄賂を渡さないと事が始まらないとまで言われました。

どうもロシアの汚職は、構造的なもので、生活やビジネスの奥深くまで根を張っているようです。

画像上:車検でヘッドランプを調べているところ
画像下:車検でエンジンナンバーを調べているところ。盗難車ではないことを確認するために車検でエンジンナンバーを確認しますが、車が古くなってくるとエンジンナンバーがくすんで見えなくなってきます。エンジンナンバーが確認できないと、車検は通りません。


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