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エルミタージュ美術館の館長ミハイル・ピアトロフスキーが、共産党党首ゲンナジー・ジュガーノフに御礼の電話をしました。何に対するお礼だったかと言いますと、盗まれた絵画の返還に協力したことに対してのお礼でした。この絵画はフランスの画家ジャン・レオン・ジェロームの作品「ハーレムの水浴」で、2001年3月22日に美術館から盗まれたものでした。
絵画が戻ってきた日の前日、共産党党首の選挙事務所に知らない男が電話をしてきて、エルミタージュ美術館から盗まれたと思われる絵画を持っていることが告げました。男は受け渡し場所を指定し、そこへ元下院議員のアレクサンドル・クリコフが行き、絵画の受け渡しが成立しました。クリコフと同じぐらいの背の熟年の人物は、クリコフに紙袋を手渡し、袋の中に電話で話した絵が入っていることを告げるとその場を去りました。その袋の中には4枚に切られた絵が入っていました。共産党党首は、最初だまされているのではないかと疑っていましたが、ロシア文化保護庁の代表が来て絵を確認し、どうもそれらしいことが分かりました。その後、絵は専門家による鑑定が行われ、本物と鑑定されました。
1876年に描かれたこの絵は、皇帝アレクサンドル三世によって購入されたもので、大きさは73,5cm×62cm。売れば、約1億2千万円はするそうです。エルミタージュ美術館の各部屋には、展示物が盗まれたりしないように見張りのおばさんがいるのですが、この絵が展示されていた部屋を見張っていたおばさんがちょっと席をはずしたすきに何者かが絵を額から切り取り、四つ折にして隠して持ち出したのでした。四つ折にした時点でかなり破損してしまったので、売ろうにも売れなかったのでしょう。
この他にもエルミタージュ美術館に展示されている作品が盗まれたケースはありますが、一番大規模な盗難は、2006年の6月に発覚した221作品の盗難です。もちろん、展示物を一度に221点も盗んだらすぐにばれて捕まります。この盗難事件は、展示物ではなく倉庫に保管されていたコレクションが長期間にわたり少しずつ盗まれたのでした。犯人は既に捕まっていて、犯行を認めています。犯人は、エルミタージュ美術館の館員とその夫でした。館員で美術館から実際に貯蔵品を持ち出していた女性は、定期的に行われる貯蔵品の確認作業が始まると間もなく心臓発作で亡くなりました。
盗まれたのは、ロシアの宝飾物で、主にほうろう細工でした。残念ながら盗まれたものは殆ど売られてしまいました。それでもその一部は、色々なルートで返還され、昨年12月には、返還された貯蔵品の特別展示会がありました。展示されたのは31点。つまり31点戻ってきたのです。また、この展示会が始まった12月7日には、エルミタージュ美術館に新しい防犯システムがつけられました。エルミタージュ美術館館長は、新しい防犯システムを説明しながら「どんなに優れた防犯システムがあろうと、美術館のスタッフ一人ひとりが貯蔵品に対して責任感を抱かない限り、貯蔵品を守ることはできない」と述べていました。
画像上:エルミタージュ美術館内の様子
画像中:エルミタージュ美術館のコレクション
画像下:エルミタージュ美術館のコレクション
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