■オリヴィエと青い灯火と運命の皮肉 2007.1.16 update

一年前の自分の記事を見ますと、一昨年は異常気象で、大晦日は暖かくてプラス1℃と書いていました。今年はさらに異常気象で、元日は2.5℃、2日は4.5℃まで気温が上がりました。来年の記事にいったい何℃と書くのかちょっと楽しみです。

ここまで暖かいと本当にお正月という雰囲気はありません。街にクリスマスやお正月の飾りつけだけはあるのですが、雪がないので何か物足りない感じがします。市民は雪があればあったで文句を言いますが、無ければ無いで文句を言っています。テレビでは、昔の新年の映像や、お正月の定番映画が放送されているのですが、寒そうな雪景色の場面が多く、登場人物は誰もが毛皮の帽子をかぶっています。なんだか、寒い正月にノスタルジーさえ覚えます。

ロシア(ソ連)の正月は寒いのが当たり前で、新年は家で家族と迎えるのが普通でした。クリスマスツリーにシャンパン、沢山の家庭料理とテレビが、新年を迎えるための必需品でした。クリスマスツリーは、今でこそ人工のものが増えてきましたが、昔は勿論天然物。シャンパンは、フランス製ではなくてロシア製のやや甘めのスパークリング・ワインが定番。新年を迎えるための家庭料理と言えば、「オリヴィエ」というソーセージ、ジャガイモ、グリーンピース、きゅうり等が入ったサラダ、ニシンのサラダ、肉の煮凝りなどなど。

大晦日のテレビ番組で一番有名なのは「青い灯火」という歌番組。ソ連時代から親しまれていた大晦日の歌番組ですが、最近は各局が大晦日から新年にかけて歌番組を放送するので、大晦日に放送される歌番組を総称で「青い灯火」と呼ぶ人も少なくありません。

また、毎年大晦日に必ず放映される映画で「運命の皮肉」という映画があります。この映画は、1975年に撮影された映画で、大晦日に仲間同士でサウナに行き、ビールとウォッカでへべれけに酔っ払い、その日レニングラード(今のサンクト・ペテルブルグ)へ飛ぶはずだった仲間の一人と間違えて別の一人がレニングラードへ飛んでしまったことから発展するラブコメディー。へべれけに酔っ払った主人公はレニングラードの空港に着くとタクシーの運転手に自分のモスクワの住所を伝えるのですが、同じ住所がモスクワにもレニングラードにも存在して、別の町の自分の住所の家にたどり着くのです。

ここまでは、まあソ連だからと納得できるのですが、レニングラードには、主人公がモスクワで住んでいる家と同じタイプの家があって、なんと、鍵まで合ってしまうのです。70年代のソ連ですからどこの町にも同じような家が建っていて、どこの家にも同じような家具がありました。酔っ払った主人公は、ベッドに倒れて寝込んでしまうのですが、そこへこの家の主である女性が戻ってくるというあらすじです。

ここまで聞いて、「そんなこと、ありえな〜い!」と思われるでしょう。実際、この映画を観て笑えるのは、社会主義計画経済の国で育った人だけのような気がします。私も最初にこの映画を観たときには、こんなことはあるはずがないと思いました。

しかし、長くロシアに住んでいると、色んな町に行ったり、色んな知り合いの家へ客に呼ばれたりするのですが、どこの町にも同じ名前の通りや広場(例えばレーニン通り)があったり、誰かと誰かが同じ間取りの部屋だったり、同じ家具を見たりするとこんなこともありえなくもないなと思ってしまいます。一度、友人の車で買い物に行き、買い物から戻って車の鍵を開けて乗り込むと、別の車だったので驚いたことがあります。友人の車の隣に駐車されていた同型車(ソ連製)に間違えて乗ってしまったのです。まさか鍵が合うなんて思いませんから。もしかしたら、昔、ソ連には鍵が数種類しかなかったのかもしれません。

画像上:新年のライトアップがされたペトロパヴロ要塞
画像下:ソーセージ、ジャガイモ、グリーンピース、きゅうり等が入った、サラダ「オリヴィエ」

【短信】1/4現在、もしかするとこちらは日本より暖かいかもしれません。


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