■バナナでくぎが打てる寒さ 2006.2.6 update

今年は1月の半ば頃から、毎日、トップニュースは、寒さのニュースばかりです。寒いのが当たり前のロシアのトップニュースが、毎日寒さのニュースですから、今年の寒さは尋常ではありません。

この寒波は、突然やってきました。年末年始は、0℃前後のポカポカ陽気。そんな陽気が、1月16日まで続きました。一晩明けて、17日の翌朝には、マイナス16℃。一晩で18℃も温度が下がりました。夜中に寒さで目が覚めた人も多かったはずです。この日、モスクワは既にマイナス20℃以下でした。シベリアの方の都市の天気を見ると、マイナス30とかマイナス40、酷い所ではマイナス50℃までいっていました。

翌日18日、ペテルブルグは、マイナス26℃、19日の朝にはマイナス32℃を記録しました。私は、マイナス37℃までは体験した事がありますが、マイナス40℃以下は未体験ゾーンです。一体、マイナス50℃の町の人がどういう生活をしているのか、想像もつきません。マイナス20℃以下の時に外を歩いていると、顔など皮膚の出ているところが痛いです。寒いのを通り越して痛いのです。1月16日まで、ロシアって、意外と暖かいのね〜と思っていた人は、今、ロシアの本当の寒さを体験しています。ロシア人は、やっと来た寒波に、待っていましたと言わんばかり。元気です、ロシア人。

ロシア人は、マイナス15℃ぐらいまでは、平気で外でアイスクリームを食べます。食べる人もすごいが、冬に外でアイスを売っている事自体すごい。それが、マイナス20℃以下になると、さすがに外で売るおばさんの方が耐えられないのか、見かけなくなります。それに、マイナス20℃以下の日に外でアイスクリームを食べると、アイスが凍って食べられなくなるのではないでしょうか・・・。「早く食べないと、アイスが溶けちゃうよ!」じゃなくて、「早く食べないと、アイスが凍っちゃうよ!」というギャグのような世界です。

冗談抜きで、毎日の寒さ関連トップニュースは、強烈です。例えば、ヤロスラブリ(モスクワの北方250kmにある都市)では、サーカスの暖房設備が寒さで故障して、ゾウが凍死しないように、ゾウにバケツ一杯のウォッカを飲ませて寒さをしのいだとか。寒さで外に設置されているATMが使えなくなったとか、信号機も寒さでいかれてしまったなど。残念ながら、寒さ関連のニュースは、悲しいニュースが殆どです。

ニジニーノヴゴロド市(旧ゴーリキー市、モスクワの東350kmにある 100万都市)では、小型バスが近道をしようとして凍った川の上を走行中に氷が割れてバスごと沈没。逃げ遅れた6人は凍てつく川の中に沈んで亡くなりました。それから、2、3日して今度はトゥバ(ロシア連邦トゥバ共和国、シベリア南部に位置)の別の町でも、大型のバスが川に沈みました。ロシアでは、川が凍っている間、場所によっては通行が許可されている場合もあります。ニジニーノヴゴロドの場合は、許可されていない場所を、運転手が勝手に通って惨事となりました。トゥバの場合は、通行できる車両の重量制限をオーバーしていたようです。

また、寒いと、みんなガスコンロを点けて少しでも部屋を暖かくしようとするのですが、それが原因で火事になったりガス中毒になったりすることもあります。それと、一斉に電気暖房器具を使うものだから、ブレーカーが上がったり、電力供給が追いつかず、家ごと、または地区ごと停電になったりすることもよくあります。

寒さによる水道管の破裂も多発しています。夜中に凍った水道管に、朝いきなりお湯を出そうとして、その急激な温度差によって壊れてしまうのです。そうならないために、今度は、夜中に水道管が凍らないように、夜中も水道を出しっぱなしにする人が増え、水やお湯の供給が追いつかないところも増えています。この悪循環によって起こる、一番恐ろしい状態が、暖房無し、電気無し、水無しの状態。この状態に陥った地区の住民を連日ニュースで報道しています。これからもうしばらくは、寒さ関連のトップニュースが続きそうです。

画像上:凍てつくネヴァ河
画像下:凍ったネヴァ河の上で穴釣りを楽しむ市民

【短信】こちらは一時、寒さが落ち着きましたが、週末にまた寒波が押し寄せるようです。(1/26)


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