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サンクト・ペテルブルグの基幹産業が何かご存知でしょうか? 観光が盛んなので、観光業かとも思えますが、市の収入における観光産業の割合は、約5パーセントと、とても少ないのです。それに比べると、ビール産業は、一番大きなビール会社“Baltika”だけでも市の収入の14パーセントを形成しています。それに、他のビール会社ならびにウォッカやリキュール会社の税収を足すと、市の収入のかなりの割合をアルコール産業が占めていることになります。
ロシアと言えば、ウォッカのイメージが強いのですが、最近はビールなどの低アルコール飲料が伸びています。そんな中、今とても勢いのいいビール産業にダメージを与える二つの法案が着々と出来上がりつつあります。一つは、ビール広告規制に関する法案。この法案によると、ビール広告に動物や人物像を使うことが禁止されています。会社のシンボルマークとしてクマやタカなどの動物を使っている会社は、宣伝さえできなくなります。
また、この法案は夕方5時から夜10時までのプライムタイムに、テレビでのビール広告を禁止しています。ロシアでビール産業がテレビ広告に使うお金は、年間6千万ドルにものぼります。テレビ局にとっては、大切な顧客を失うことになります。広告が減ればビールの売り上げも減り、それに伴い国の税収も減ることになります。ゴルバチョフが1986年に禁酒令を出してから、ソ連経済はよりいっそう衰退し、国が崩壊したという前例もあります(勿論、ソ連が崩壊したのは禁酒令のせいだけではありませんが)。
また、もう一つ今準備されているのは、野外におけるアルコール飲料の使用を禁止する法案。私がロシアへ来て間もないころ、道端でビールを飲むきれいなお姉さんを見て、とてもショックでしたが、この法律の施行後は、そういったロシア的な光景もなくなるかもしれません。この法律もアルコール産業に打撃を与えることは間違えありません。西ヨーロッパでは約50パーセントのビールがレストランやバーなどの屋内で飲まれていますが、ペテルブルグでは、それがたったの5パーセント。ペテルブルグで買われるビールの3割は、購入後直ぐに、つまり外で飲まれているのです。
同じビールでも店で買うのとレストランで買うのでは、値段が3,4倍違います。今、既にペットボトルのビールが売られていますが、この法律の施行後は、ジュースやコーラ等のソフトドリンクによく似た容器のビールが売り出されることが予想されます。
ソフトドリンクと言えば、今ロシアでは、ちょっとおかしな状況にあります。ペットボトルのコーラ0.6mlが約85円。ビール1本0.5mlは約65円。ビールの方が、コーラ等のソフトドリンクより安いのです。ビール会社は何社もあって、競争が激しいのに、ソフトドリンクはコカコーラとペプシの寡占状態だからでしょうか。原因は分かりませんが、ビール党の私にとっては、うれしい状況です。でも、この法律が施行してしまったら、毎年恒例のビールフェスティバルがどうなってしまうのか心配です。
今年は、このお祭りに15万人が集まり、10万リットルのビールと3万本のソーセージがたいらげられました。ちなみに、酔って暴れて逮捕されたのが34名、酔いを醒ますためのトラ箱に送られたのは12名。酔って暴れるのは問題ですが、一年に一度ぐらい、外で思いっきりビールを飲むのもいいのではないでしょうか。
画像上:ビールフェスティバルの様子
画像中、下:ビール博物館(住所は、ステパン・ラージン通り11)
【短信】日本の台風の被害が、こちらのニュースでも伝えられております。今年は本当に当たり年のようですね。(10/23)
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