■十年一昔 2004.5.3 update

早いもので、ロシアに来てから4月でちょうど10年になりました。私が来た1994年は、ソ連崩壊後の最も混乱していた時期から抜け出し始めた年でした。ハイパーインフレも収まり、店にも物が増え始めました。と言っても、インフレは年100%以上、物も今ほど豊富ではありませんでした。秩序は無く、何でもありで、恐ろしくもあり、面白くもある時期でした。

キオスクが町のあちこちにでき、賞味期限の切れた品や質の悪い商品、西側からの人道援助物資が売られていたりしていました。そんなキオスクも街の景観を崩すという理由で、撤去されていきました。昔、キオスクで売られている酒類は、殆どが偽物だからキオスクでは買うなと教わってから、いまだにキオスクで買うのには抵抗があります。

治安もよくありませんでした(今もいいとはいえませんが)。何が恐いかと言えば、警察が一番信用できない事です。今は少なくなりましたが、警官に恐喝まがいの事をされるのは、日常茶飯事でした。

また、94年は、それまで流行っていたネズミ講式商売がほぼ全壊した年です。日本で言うとNHKにあたる国営放送局で、ネズミ講の宣伝がひっきりなしに流れていました。ラジオでは、オウム真理教の教えが流れていた時期です。統一教会やエホバの証人も流行りだした頃でした。今思うと、すごく混沌とした時期だったなあと思い出します。そう言えば日本で、オウムが地下鉄サリン事件を起こしたのがこの年だったでしょうか。

95年は、94年の延長のような年でした。96年は大統領選挙のあった年。エリツィンが再選した年です。その後の4年間はロシア経済にとって「失われた4年間」とも言っていいでしょう。98年には、国が破産し、デフォルトが流行語となりました。なんだか悪い思い出ばかりのようですが、もちろん楽しいことや、よくなった事もたくさんあります。

例えば、この10年で交通機関が便利になりました。94年当時には、バスの時刻表などなく、運がよければ直ぐ来るが悪ければ延々待たされました。しかも走っていたのはポンコツばかり。でも運賃は今と比べてももっと安かったです。市内の全公共交通機関に乗れる定期券が月300円ぐらいだった気がします。それも払いたくない学生は、カラーコピーをしていました。その後、磁気カードになってその手は使えなくなりました。

また、スーパーマーケットが増えたので、昔のような不愉快な思いをしなくてすむようになってきました。店員が客より偉かった時代、何度も理不尽な思いをさせられました。買い物には必ずビニールの買い物袋を持参したものです。袋は買うもので、日本のようにただではくれません。汚れると、洗って干して再利用していた貧乏な時期がありましたっけ...

あら、またこんな思い出ばかり。本当は楽しいこともあるんですよ〜。

画像上:90年代前半に流行った株券。94年には紙くずと化す。
画像下:反エリツィンデモ


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