■ハミングバード 2003.8.18 update

皆さんは"ハミングバード(日本名ハチドリ)"という鳥をご存じだろうか。全長約7cm、体重わずか3gの世界最小の鳥で、ブーンという羽音(これを英語ではhummingするという)をたてながら、花のミツを求めて飛ぶ姿は、一瞬「蜂」に見間違えるほど。

ハミングバードは熱帯地方だけでなく、カナダにも生息している。しかし、冬が近づくとフロリダやメキシコ方面へ渡ってしまうので、春から秋にかけてしか、見ることができない。

その短い逢瀬を楽しむために、カナダ人はどうするか? 人々は砂糖水を作って、専用のバードフィーダー(給餌器具)に入れ、家の窓辺の外につるしておく。そうすると、餌を求めてハミングバードが毎日飛んできてバードフィーダーから砂糖水を飲む姿を眺めることができるのだ。

我が家でもキッチンの窓の外にフィーダーをぶら下げ、毎日のように飛んでくるハミングバードを楽しんでいる。オスは前首のところがルビー色の帯になっている。メスには帯がない。だからオンタリオ州に生息しているハミングバードの正式名は"Ruby Throated Humming Bird"である。

初夏のころには、まだ針のようなクチバシが短く、羽毛がモコモコしているヒナが親鳥と一緒に飛んできて、4つの花の形になったフィーダーにとまる姿が、たまらなく可愛い。

ハミングバードの巣を幸運なことに、私は見たことがある。小さな枝に苔や植物のファイバーで上手に使った巣は、クルミの半分ぐらいのサイズだ。その巣にグリーンピースほどの小さな卵を2個生むそうだ。

ハミングバードの得意技は、ヘリコプターのように前後左右、そして空中に止まったままの状態で飛び続けること(Hover)ができる。時々バードフィーダーの縄張り争いで、2羽の鳥がビュンビュン円を描きながら飛び回るのを見ることもある。すごいスピードだ。

フィーダー用に作る砂糖水は、砂糖1:水4の割合。以前は砂糖水を食紅で着色し、ハミングバードの注目を引くつもりの人が多かったが、長年の調査の結果、ハミングバードは色盲で、赤でも透明でも違いがないことがわかった。しかも、食紅の化学成分がハミングバードに悪い影響を与えることもわかり、最近では誰もが普通の砂糖水をそのままフィーダーに詰めている。また、蜂蜜で甘味をつけると水カビができやすくなり、ハミングバードには命取りになるほど悪いこともわかった。

ハミングバードの寿命はわずか3年あまり。その短い命に重なるようなカナダの美しく短い夏を彩ってくれるハミングバードを、カナダ人たちは愛してやまない。



画像上:花の蜜を吸うハミングバード
画像中:自宅の窓辺につるした、花の形をしたバードフィーダー(給餌器具)にやってきたハミングバード
画像下:Hoverするハミングバード。


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