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カナダでは長い冬が終わると、春が駆け足で過ぎ、夏が一挙にやってくる。きのうまでジャケットとブーツ姿だった人々が、突然、半そでとショーツにサンダル履きになる。カナダの季節は、驚くほど過激に変化するのだ。短くも美しく燃える夏をフルにエンジョイしようと、カナダ人は夏のバケーションこそ命!と遊ぶことに専念する。
7月と8月にかけてコテージに滞在するカナダ人はとても多い。コテージ=セカンド・ハウス(別荘)は、特権階級の人だけが持つわけではなく、週末ごとにコテージで生活する人は、けっこう多い。レンタル・コテージだってあるのだから、コテージは市民に身近な存在なのだ。
カナダは「森と湖の国」と言われるだけに、各地に散らばる湖の周囲には、たいていコテージが建っている。オンタリオ州でコテージの一等地として有名なムスコカ湖畔には、100万ドル以上のコテージが並び、ハリウッド俳優や裕福なアメリカ人の所有するコテージが多い。
我が家のコテージは、ヒューロン湖につながっているジョージアン湾に浮かぶ小さな島にある。夫の両親が1950年代に買った島で、コテージを建てた当時は、電気はもちろん、水道も電話もなかったそうだ。5人の子どもたちが協力して湖から水を運び、薪ストーブで料理をし、ランタンの火を灯すといったキャンプ式のコテージ生活だったという。不便な生活もなんのその、夏の間は家族全員と友達を含め、いつも12人近い人間が、狭いコテージにぎゅうぎゅう詰めになりながらも、大いに楽しんだらしい。
現在のコテージは、離れにキャビンが新しく増設され、電気、電話、水道(湖の水をポンプでくみ上げる方式)完備で、皿洗い機とコンピュータはないものの、現代のテクノロジーを享受している。
典型的なコテージの1日は、朝起きて、歯磨きと歯ブラシ、石鹸、シャンプーを持って、水辺へ行くことから始まる。やわらかい淡水湖の中で、体や髪を洗って気分は爽快。朝早い時間だから、ボートの行き来もないので、生まれたままの姿で、のびのびと泳ぐことができる。
それから朝食。ラジオのニュースで世界の情報を聞きながら、ゆっくりコーヒーを飲む。さあ、今日はスナッグ・ハーバーまでボートで出かけて、獲れたての魚とお店の自家製の燻製魚を買いに行きましょう。
ハーバーまで行く途中、ジョージアン湾の国定公園になっているキルベア・バークの絶壁から、キャンパーたちが次々に湖に飛びこんで水遊びしている様子をボートの中で、ちょっと見学する。この絶壁は有名なので、遠くから見に来るらしい豪華なクルーザーが停泊していることも。
買い物をすませて、ボートにガソリンも補充し、コテージに戻る。暑いので、また泳ぐ。日中はボートの行き来があるから、今度は水着をちゃんと着て。読書をしたり、お茶を飲んだり、ゆったりと流れていく時間に身を任せる幸せ。
夕食は、買ってきたホワイト・フィッシュのバーベキュー。夏の日は長く、なかなか陽が落ちないので、9時過ぎごろまで明るい。後片付けをすっかり終えた頃、夕焼けが燃えるように輝くのを見るときがある。その刻々と変化する空を眺めていると、生きていることを心から感謝せずにはいられない。
あまり夜更かしせず、早めに就寝。夜中に起きてコテージの外に出ると、満天の星空が目の前に迫ってくる。流れ星を見ることも多い。これも至福の瞬間だ。
カナダ人がコテージ・ライフに魅せられるわけが、皆さんにもおわかりになっただろうか。
画像右上:Front view of cottage
画像左上:Killbear cliff and bout
画像右下:Snug harbour light house
画像左下:Sunset at the cottage
【短信】決選投票の末、2010年冬季五輪の開催地にカナダのバンクーバーが選ばれました。オーストリアのザルツブルク、韓国の平昌(ピョンチャン)を抑えての勝利。2日付でトロントがSARS感染指定地域から除外され、二重の喜びにわくカナダです。
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