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カナダ東部の冬は長く厳しい。毎年11月頃に初雪をみて、雪解けは4月中旬。春の花が咲き出すのは5月過ぎである。1年の半分近くが冬で、好むと好まざるとにかかわらず、雪とつき合っていかなければならないのがカナダ人の宿命だ。しかし、どんなに雪が積もっても、まず交通機関はマヒしないし、日常生活にもあまり支障がない。というのは各自治体が雪対策には万全を備え、24時間以内に除雪するシステムが確立しているからだ。
トロントの場合、673台の除雪トラック、201台の散砂車(道路の雪や氷を溶かすために塩と砂を撒くトラック)、400台の重機を装備し、ただちに道路の除雪作業をする。年間平均130cmの積雪があるトロントでは、ひと冬13万〜15万トンの塩と1万4千トンの砂が、道路に撒かれる。
雪かきに関する条例もあり、除雪トラックの作業の妨げになるような道路わきの放置駐車は禁止されている。また、一軒家やアパートのオーナーは、家の前の歩道の雪や氷を除去することが義務づけられ、もし雪が積もってから12時間以内に除雪しないと、105ドルの罰金だ。シャベルを使う雪かきは結構きつい労働なので、ぎっくり腰になったり、ひどい時は心臓マヒという話もよく聞く。そこで、お年寄りは近所のティーンエージャーに雪かきアルバイトを頼むことが多い。
家の玄関やガレージから歩道までの敷地が広い住人は、スノーブローワー(除雪機)を使うことになる。もっと広い敷地に住んでいる人は、除雪業者に任せてしまう。年間契約金を払い込んでおけば、雪が降った夜明けごろ、除雪トラックであっという間に自宅のドライブウェイを雪かきしてくれるので、支障なく出勤できるのが利点。カナダには夏は芝刈りや庭のメンテナンス業、冬は除雪業をする人たちがあちこちにいる。よく繁盛するビジネスだ。
雪には慣れているはずのカナダ人でも、初めての本格的な降雪があった日は、交通事故が急上昇する。トロントだけで、1日200件の事故が発生したこともある。みぞれが降った上、氷点下の気温の時などは、ラジオやテレビで盛んに「外出する必要のない人は、車を運転しないように」と呼びかける。そんな日は道路はブラックアイス化し、散砂車も間に合わず、道路わきの溝に突っ込んで身動きできなくなった自動車を何台も見かけることになる。
雪やみぞれより、もっと怖いのはアイス・ストーム。凍った雨のおかげですべての木々や電線がちょうど樹氷のように凍ってしまう。トロントは幸いアイス・ストームの被害を受けたことはないが、先週ニューブランズウィック州とノバスコシア州がアイスストームに見舞われ、3万6000軒の家が停電となり、住人が市民会館や体育館に避難する騒ぎだった。
さらに、今年の冬は寒波のため、毎日マイナス10度以下が続き、1月23日にトロントの最低気温がマイナス30度を記録した。もうここまで寒いと、ウィンター・ブルーの落ち込みを通り越して、開き直ってしまう。最近のトロントでは、マイナス5度ぐらいの日は「あらー、今日は温かいわね」という挨拶になる。スキーやスケートも、完全防寒着、耳や口元をしっかり保護する帽子、ごつい手袋に身を固め、エンジョイしている。カナダ人ってほんとにタフ!
画像上:樹氷化した木の枝を切るニューブランズウィック州の作業員
画像下:1998年1月にケベック州を襲ったアイスストーム
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