■乗馬の祭典:デリー・ホース・ショー 2008.4.22 update

馬好きなインド人の友人がいます。日本で「馬好き」と言うと競馬ファンのように聞こえるかもしれませんが、彼は乗馬から始め、やがて馬のオーナーになり、ファームにいる愛馬に毎日欠かさず会いに行っているという、本格的な馬好きです。

インドでも馬を所有できるのは経済的にかなり余裕のある人に限られていると思いますが、彼はごく普通の家柄で、企業に勤めるサラリーマンです。年収はインドの平均に比べたら圧倒的に高いとは思いますが、給料の大半は愛馬につぎ込んでおり、自身は驚くほど貧相な生活を送っています。既に30歳を越えていますが、馬好きが祟っているのか、未だに独身で、結婚願望もないようです。馬さえいればいいと言っています。

インドでは、中世からの伝統なのか、英国の植民地だった影響なのか、割と乗馬が盛んです。一般庶民が乗馬をしているという訳ではありませんが、街の中心部にポロ・グランドや競馬場があったり、近郊にかなり広大な乗馬施設があったりするのを見ると、現代でも乗馬は決して廃れていないと感じます。一般人を対象とした乗馬レッスンも行われており、多くの場合、格安の値段で乗馬を習うことができます。インドに滞在する日本人の中でも、乗馬を習っている人がいます。

その友人がホース・ショーに招待してくれました。インドの各都市ではホース・ショーという乗馬の祭典が行われているようですが、デリーでは毎年3月下旬から4月上旬の時期にデリー・ホース・ショーが開催されます。彼も、愛馬に乗って出場するようでした。会場は、デリー・カントンメントと呼ばれる軍駐屯地内にある乗馬場でした。

ホース・ショーというぐらいなので、かなり大きなイベントなのかと思っていましたが、訪れてみると、会場に観客はほとんどおらず、閑散とした会場の中で、淡々と乗馬競技が行われていました。会場のあちこちに合計10個のバーが設けられており、それらに1から10まで番号が振られていました。選手は、馬を操りながら番号の若い順にジャンプをしてゴールを目指し、タイムを競うというものでした。

子供の部が行われており、見渡してみたところ、観客は、出場する子供の家族ばかりでした。うまい子供もいれば下手な子供もいますし、颯爽とジャンプして行く馬もいれば怖気づいてバーをジャンプできない馬もいました。しかし、間近で見る馬のジャンプは躍動感がありました。

子供の部が終わると、今度はシックス・バーと呼ばれる競技が始まりました。6つのバーを一直線に並べ、それを次々に越えて行きます。こちらはタイムを競う競技ではなく、減点制になっています。バーを落としたり、馬がバーをジャンプできなかったりすると減点となり、合計点で順位が決まるようでした。こちらは、インド有数の騎手も出場していたようで、迫力ある競技になっていました。出場しているのは、軍隊や警察の騎馬部隊の人が多いようです。子供の部に出場していた子供たちも、軍人の子息が多いように見えました。

ところで肝心の友人はどうしていたのかというと、実は訪れたときには彼の出番は終わっていました。しかし、彼は馬まで所有しているものの、どうも乗馬の技術は未熟なようで、他人に無様な姿を見せたくなかったために、わざと自分の出番のタイミングには呼んでくれなかったようです。どうだったのか聞いてみたら、馬をうまく操りきれずに失格になってしまったみたいでした。

デリー・ホース・ショーは1週間に渡って開催されますが、1日しか見に行きませんでした。しかし、インドにはこういう世界もあるのだなぁと感じた1日でした。

画像上:バーをジャンプする馬
画像下:ゴール!


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