■世界最古の現役蒸気機関車:フェアリー・クィーン号 2006.12.19 update

インドで有名な蒸気機関車というと、避暑地と紅茶の産地として有名なダージリンを走る登山列車(トイトレイン)ですが、ここデリーでも蒸気機関車が運行されています。その名もフェアリー・クィーン号。デリーから約140km、ラージャスターン州北方の町アルワルを結ぶ観光客向けツアー列車です。乗客はフェアリー・クィーン号に乗ってデリー〜アルワルを往復すると同時に、アルワル近郊の見所を観光することができます。このフェアリー・クィーン号の旅は、土日を使った1泊2日のツアーになっており、10月〜2月まで、月2回運行されています。

フェアリー・クィーン号は、今の時代に蒸気機関車というだけでユニークなのですが(もちろんインドの普通の鉄道はディーゼル機関か電気機関です)、さらにその価値を高めるのが、世界最古の現役蒸気機関車という事実です。1855年に建造されたフェアリー・クィーン号は、元々カルカッタの辺りで運行されていましたが、1908年に一旦現役を引退します。1971年からはデリーにある国立鉄道博物館で展示されていましたが、1996年にオーバーホールされ、1997年から運行が開始されました。さらに、1998年には「世界最古の現役機関車」としてギネスブックに登録されました。

汽車というと、シュッシュッポッポーというイメージがありますが、フェアリー・クィーン号が奏でる音楽はまさにその通り。蒸気機関車はシュッシュッシュとリズムを刻み、汽笛を鳴らすとポッポーと歌います。汽車の旅はなんて楽しいんでしょう。フェアリー・クィーン号は、蒸気機関車、60人乗り客車1両、厨房車両1両で編成されています。客車は全て座席。前方と最後尾には、ソファーがあって景色を見ながら汽車の旅を楽しむことができます。

フェアリー・クィーン号の最高時速は40km。非常にゆっくり列車は進んでいきます。しかも蒸気機関車は走行するのに大量の水を要するようで、途中駅で頻繁に停車して水補給を行います。石炭補給も一度行っていました。朝9時発のフェアリー・クィーン号がアルワル駅に着くのは午後3時〜4時頃。よって、たった140kmの移動ですが、汽車の旅をたっぷりと楽しむことができます。もちろん、昼食も列車の中で食べます。乗務員が座席まで各種カレーの入った容器を持って来てくれるので、そこから好きなだけ自分の皿によそいます。

また、客席から運転席がよく見えるように工夫されているので、運転士が踏み切り監視員に緑の旗を振ったり、汽笛を鳴らしたりする様子など、いろいろ観察することができます。さらに、運転士に頼むと、運転席に乗せてもらうことまでできます。そして少しだけ運転を代わったり、汽笛を鳴らしたりすることができます。動いている蒸気機関車の操縦をすることができる路線なんて、世界広しと言えど、インドにしかないんじゃないでしょうか?

移動代から宿泊代、観光代まで全部パックのツアーなので、アルワルに着いてからも至れり尽くせりです。アルワル郊外の湖でボートに乗ったり、サリスカー鳥獣保護区でサファリをしたり、アルワル博物館を見学したりします。宿泊するホテルは特徴のない州観光局経営のホテルですが、夜にはラージャスターン州の民俗舞踊などを鑑賞することができます。

しかし、このツアーの主役は何と言ってもフェアリー・クィーン号。蒸気機関車で行くのんびり旅は、これからデリーの人々の間で人気が高まっていくのではないかと思います。今のところそれほど知名度はないようで、僕が参加したときは定員の半分くらいしか乗客がいませんでした。よって、日程さえ合えば、観光客でもフェアリー・クィーン号を体験することができると思います。

画像右上:フェアリー・クィーン号
画像左上:客席
画像右中:厨房車
画像左下:最後尾のコンパートメント
画像右下:運転席

【短信】デリーはもう冬です。蚊がうるさくなってまいりました。インドでは蚊は冬にも発生します! 酷暑期は暑すぎて蚊が生きれないのです・・・。(12/4)


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