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インド西部にラージャスターン州という州があります。砂漠の州として知られており、中世から近世にかけて、ラージプートと呼ばれる戦士カーストたちが群雄割拠していた地域です。ラージャスターン州の各地には、外敵の侵入を防ぐために小高い丘の上に造られた城塞や、マハーラージャー(国王)の贅を尽くした宮殿、また地元有力者や豪商たちが権勢を誇示するために建造した豪華絢爛な大邸宅などが残っており、インドの中でも有数の観光地となっています。
また、ラージャスターン州の女性たちは原色の衣服を着ており、それが砂漠に映えて非常にフォトジェニックな風景を形成しています。男性たちもカラフルなターバンを身に付け、立派な髭を生やしており、日本人が抱くインド人のイメージを満たしてくれます。ラージャスターン州を旅した者は、その美しさに簡単に魅了されてしまうでしょう。
ラージャスターン州の名物はいろいろありますが、観光客に人気なのはキャメル・サファリ。ラクダに乗って砂漠の村を巡ったり、砂丘でサンセットを眺めたり、砂漠で寝泊りしたりするツアーです。キャメル・サファリはラージャスターン州の観光地ならけっこうどこでもアレンジしてもらえますが、最も有名なのは、ラージャスターン州最西部にあるジャイサルメールという街のキャメル・サファリ。このディーワーリー祭(インドの正月)の休みを利用し、ジャイサルメールでキャメル・サファリをして来ました。ジャイサルメールを訪れたのはこれが2回目でした。
一口にキャメル・サファリといっても、何泊もする長期のサファリから日帰りサファリまでいろいろなコースがあります。前回ジャイサルメールを訪れたときは日帰りのサファリを体験し、今回は1泊2日のサファリに挑戦してみました。日帰りのサファリは、ジープで砂漠の中にある寺院や村を巡った後、ラクダに乗って砂丘まで行き、日の入りを見て再びジープでジャイサルメールに戻る、というものでした。はっきり言ってそれはかなり一般的なコースで、他の観光客と遭遇することも多く、訪れる先の観光地化も進んでしまっているので、あまり風情がありませんでした。
その点、今回体験した1泊2日のキャメル・サファリは、ほとんど観光客が来ないような場所を巡ってもらえました。まずはサファリのガイド役であるパブーの自宅までジープで行き、その後、近隣の見所を案内してもらいました。再び自宅に戻った後、ラクダに乗ってしばらく遊覧。他の観光客が全くいない「プライベート砂丘」で日の入りを見て、夜はキャンプ・ファイヤーを囲んでの夕食やゲームを楽しみました。ちょうど新月の頃で月明かりがなく、空には満天の星。一生忘れられない体験となりました。
前回日帰りサファリをしたときは、ラクダの乗り心地の悪さに辟易したものでした。股を裂かれるような酷い思いをした覚えがあります。しかし、今回はちゃんと座席に毛布を何重にも置いてくれたため、股を痛めるようなことは全然ありませんでした。むしろかなり楽チン。やっと「ラクダは楽だ」と胸を張ってジョークを言えるようになった気分でした。
しかし、今回のサファリで震え上がったのがサソリ。キャンプ・ファイヤー中に突然どこからともなくサソリが登場したのでした。まだ色が白くて若いサソリでしたが、これでも刺されると熱した鉄を当てられたような痛みが24時間続くと言われています。すぐにサファリ・ガイドのパブーが潰してくれましたが、また別のサソリが現れるのではないかと気が気ではありませんでした。紛らわしいことに、砂漠には黒色をしたフンコロガシがたくさん地面を這いつくばっています。これが身体に触れると、「もしやサソリ!?」と背筋が凍る思いをします。結局、サソリはその1匹しか現れませんでした。
当然のことながら砂漠にはトイレなどありません。野外ですることになります。しかしラージャスターン州の砂漠には、所々にサボテンや木々が生えているので、その物陰で用を足すことができます。昔、エジプトの砂漠で同じように1泊2日のサファリをしたときなどは、いい物影がなかったので砂漠のど真ん中で用を足したことがあります。慣れてくれば、サボテンのひとつひとつがトイレに思えてきます。
さすがに1週間や1ヶ月の長期サファリは体力を要しますが、1泊2日くらいのサファリだったらそれほど難儀はないでしょう。日帰りのサファリよりも砂漠で1泊した方が一生ものの思い出になることは確実です。ただ、キャメル・サファリ中に身ぐるみ剥がされたり、レイプされたり、といろいろなトラブルも報告されているので、なるべくならばグループでの参加をおすすめしたいところです。
画像右上:ラージャスターン州最西部にあるジャイサルメール
画像左上:美しいサム砂丘
画像右中:ラクダ。座席に毛布を何重にも置いてくれたので、股を痛めるようなことはありませんでした
画像左下:サファリのガイド役・パブーの自宅
画像右下:夕食の準備中
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