■デリーの幕張メッセ:プラガティ・マイダーン 2005.9.19 update

現在、「中央デリー」と呼ばれている部分は、英領インド時代に英国人が造った計画都市です。インドというと「ごちゃごちゃしていて汚い」というイメージがあると思いますが、この中央デリーの街並みを見るときっと驚くでしょう。

緑葉を茂らせた街路樹が道に陰を投げかけ、道幅は十分広く、大邸宅が軒を連ねています。大統領官邸とインド門をつなぐ道は、パリのシャンゼリゼ通りを彷彿させます。他にもデリーの街造りには、日本の街ではまず見られないようなサプライズがあったりします。そんな驚きの内のひとつが、首都の中心に広大なイベント会場があることです。

「プラガティ・マイダーン(進歩の庭園)」と呼ばれるそのイベント会場は、正に「デリーの幕張メッセ」と呼ぶのがふさわしいでしょう。ヤムナー河河畔の広大な土地に、18のホール、22の常設展示館があります。屋内展示場の総面積は13万平方m、屋外展示場の総面積は18万平方m。もちろんインド最大です。デリーでアジアゲーム大会が開催された1983年の前年にプラガティ・マイダーンは建造され、それ以来数々のイベントを主催して来ました。

プラガティ・マイダーンでは年がら年中何らかのイベントが開催されていますが、最大のものは11月に開催されるインターナショナル・トレードフェア(国際貿易祭)でしょう。インド各地の手工芸品が大集合する他、世界各国から様々な業者が集まります。インド各州のパビリオンを巡ると、デリーにいながらインド旅行をしているような気分に少しだけなれます。昨年は中国が大特集されており、中国の企業が多数のブースを出していました。国際貿易祭開催中はかなりの人々がプラガティ・マイダーンを訪れます。デリー中のスリたちも、そのときは一時的に活動の場をそれぞれの縄張りから国際貿易祭へ移すとまで言われています。

我々学生にとって待ち遠しいのは、毎年2回開催されるブックフェアです。デリーやインド各地の出版社がブースを出して新書や売れ筋の書籍を並べる他、外国の出版社も参加します。しかも、どの本屋でも何も言わなくても数割値引きしてくれるので、嬉しいこと限りありません。掘り出し物が見つかることもあるので、デリーの学生は、ブックフェア中は足繁くプラガティ・マイダーンに通うのが常です。

プラガティ・マイダーンには、イベント会場の他にもいろいろな施設があります。例えばシャクンタラム・シアター。ここでは他の映画館で公開が終了した、少し古めの映画が上映されています。また、アップー・ガルという遊園地もあります。大規模なアトラクションはありませんが、お化け屋敷、ウォーター・スプラッシュ、海賊船、ゴーカートなどなど、けっこういろいろあります。インドの遊園地のアトラクションは、安全装置が万全ではないため、違った意味でのスリルを味わうことができます。

また、やはりプラガティ・マイダーンの敷地内には手工芸博物館があります。ここの土産物屋は、日本への土産物を買うのに適しています。プラガティ・マイダーンの特徴的な建築物は、時々ボリウッド映画のミュージカル・シーンなどに登場したりします。

プラガティ・マイダーンの欠点は、意味もなく広いこと。入り口からホールまで、かなり長い距離を歩かなければなりません。一応会場内を無料の巡回バスが回っていますが、その本数は実用レベルとは言えないくらい少なく、あまり利用価値がありません。酷暑期に日陰がほとんどないプラガティ・マイダーンを歩くのは自殺行為でしょう。

プラガティ・マイダーンはあまり旅行者が訪れるような場所ではありませんが、ちょうど国際貿易祭や何らかの催し物が行われていたら、「デリーの幕張メッセ」がどんなものか覗いてみるのも一興でしょう。

画像右上:「デリーの幕張メッセ」と呼ぶのがふさわしい、プラガティ・マイダーン(進歩の庭園)
画像左上:2004年国際貿易祭の様子
画像右中:ガラス細工屋(2004年国際貿易)
画像左下:ライバル国であるパーキスターンの店舗も仲良く出店(2004年国際貿易)
画像右下:2005年デリーブックフェアの様子

【短信】デリーは、雨の降らない雨季が終わり、セカンド・サマーと呼ばれる第二の酷暑期に突入しました。(9/5)


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