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インドに住んでいると、インド人の友人から結婚式に招待されることが少なくありません。インドの結婚式は、とにかく大勢の人々を呼ぶことが重要。なるべく多くの人に、新郎新婦の結婚の証人になってもらうためです。しかも、結婚式に外国人が来たとなれば、両家の家族にとっても人脈の広さを示す印となり、格別に鼻の高いこと。こういう訳なので、機会があれば、インドの結婚式に参加してみることをオススメします。なにしろインド人は世界で最も派手に結婚式を祝う民族です。現代史上、最も豪華絢爛な結婚式を行ったのもインド人だと言われています。
インド出身で、世界有数の大富豪である、鉄鋼会社ミッタル・スティール社のラクシュミー・ミッタル会長は、2004年6月、娘の結婚のためにフランスのヴェルサイユ宮殿などを貸切にして、総額6千万ドル以上の予算をかけた大結婚式を行いました。このような大富豪の結婚式に参加する機会は滅多に訪れないとしても、庶民の結婚式でも十分に派手で興味深いものです。
まず、結婚式の招待状の懲り様に驚くことでしょう。豪華な装飾が施してあったり、巻物のようになっていたり、いろいろな工夫が凝らしてあります。ヒンドゥー教徒の結婚式だったら、必ず象神ガネーシャの絵があしらってあります。招待状には、結婚式の場所、時間、そして新郎新婦の名前などが書かれています。
結婚式に着て行く服に困るかもしれませんが、最も手軽なのはインドの伝統衣装。男性ならクルター・パジャーマーかシェールワーニー、女性だったらサーリーかパンジャービー・ドレスを着ればOKです。もちろん、背広やパーティードレスなどでもいいですし、普段着を着て行っても普通は特に何も言われません。
結婚式当日は、遅刻して行きましょう。え、遅刻? そう、遅刻です。インドでは、結婚式などに時間通り行くことは卑しいことだと考えられています。なぜなら、結婚式では必ず来客に食事が振舞われますが、早く会場に到着する人はその食事が目当てで来ていると思われてしまうからです。招待状に書かれている時間よりも1〜2時間遅れて到着するのがコツです。日本と違って、遅刻することがマナーなのです。時間通りに行っても、近親者以外はほとんど来ていません。
もし花婿側の家族から招待されたなら、パレードに参加することができます。花婿は白馬に乗り、楽団を引き連れて近所界隈を練り歩きます。花婿の後をぞろぞろと金魚のフンのように付いて行ってもいいのですが、やはり花婿の前でインド人と一緒に踊り出すとみんなに喜ばれます。花婿の家族が、踊っている人の頭の上で紙幣をグルグル回す様子を見ることができるでしょう。花婿のパレードは適当な時間に結婚式会場に到着し、簡単な儀式が行われた後、花婿と花嫁は玉座に腰を下ろします。
結婚式会場の食事は全てビュッフェ形式になっています。ヒンドゥー教、ジャイナ教などの結婚式では純ヴェジタリアン料理であることが多い一方、スィク教の結婚式だと酒から肉から何でも出てくる傾向にあります。よって、スィク教の結婚式が、食事的には一番豪華です。
花婿が会場に到着することにより、記念写真セッションが始まります。来場者はこぞって新郎新婦のもとを訪れ、祝福の言葉とプレゼントを贈ると同時に、記念写真を一緒に撮ります。外国人は特に新郎新婦側から「是非一緒に記念写真を」とせがまれることが多いでしょう。
最近のデリーの結婚式では、必ずと言っていいほど、ダンスフロアが用意されており、DJが最新ヒット曲を大音響で流しています。結婚式が始まったときは、小さな子供たちがヨチヨチと踊っているだけですが、結婚式が佳境に入ってくると、老若男女全ての人々がダンスフロアに集結し、踊り出します。最後には新郎新婦やその家族が一緒に踊ったりします。
この披露宴の後に、結婚の儀式が行われますが、深夜に行われるため、ほとんどの来客は儀式には参加せずに帰ってしまいます。もし結婚式を見るのが初めてだったら、儀式の方を見学させてもらってもいいでしょう。しかし、退屈で眠くなりますが・・・。ヒンドゥー教の結婚式では、新郎新婦が火の回りを7回周って、結婚の成立となります。
インドの結婚式の日にちは季節や星の運行に左右されます。ダシャヘラー祭とディーワーリー祭の間、つまり10月〜11月あたりが結婚式のピーク・シーズンとなりますが、占星術上、ラガンと呼ばれる吉日にも行われます。人口10億の国民が、これらの限られた日に一斉に結婚式を行うわけですから、結婚式シーズンはどこもかしこも大変な混雑になります。また、今回はヒンドゥー教の結婚式を念頭に置いて、一般的なインドの結婚式を概説しましたが、それぞれの宗教ごとに結婚式の形態は違います。インドは貧しい国だと思っている日本人は多いですが、インドの結婚式を見れば、おそらくその先入観は吹っ飛んでしまうことでしょう。
画像右上:結婚式会場の入り口(デリーのスィク教徒)
画像左上:結婚式会場の様子(デリーのスィク教徒)
画像右中:花婿が花嫁の家に入る儀式(ラージャスターンのヒンドゥー教徒)
画像左下:踊る新郎新婦とその家族(デリーのスィク教徒)
画像右下:結婚の儀式(ラージャスターンのヒンドゥー教徒)
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