■ブッダガヤのムスカン(美容室) 2003.9.15 update

「ムスカン」はヒンディ語で美容室(パーマ屋さん)や散髪屋さんのことです。髪の毛をカットしたり、パーマをあてたりします。ブッダガヤの場合は、パーマといっても日本のような頭にガッポリかぶせるような大きな器械は無く、ドライヤーでカールの型をつけます(都会は日本と変わりません)。

ムスカンの中でも「ビューティパーラー」は主に女性と子供専門で、男性は道端によく見かける散髪屋さんで髪を整えます。ちなみに男性用の散髪屋さんは、木の陰などに椅子を置いて、木の幹に鏡をぶら下げています。あちこちで見かけられます。空き缶やバケツに水を入れてその水をお客さんの頭にぱっぱっとかけて、はさみとくしでカットします。もちろんヒゲも剃ってくれます。散髪の後、髪を洗ったりなどはないので、たいてい皆さん散髪から帰ってから水浴びをするようです。

女性用のムスカンは、田舎ではかなり珍しいです。ブッダガヤにも数軒しかありません。美容師はその専門の勉強を受けています。短大でそんな学科があるそうです。彼女たちは髪についてだけでなく、顔のエステ(アーユルヴェーダの泥パックのようなもの)や、メイク、結婚式に欠かせないメヘンディ(ヘンナという染料を使って手や足などにデザインを描いたもの)の技術を学んでいます。

私が一番驚いたのは、眉毛を整える方法です。椅子の背を少し倒して首をもたれさせ座ると、「目をつむって、右手で右のまぶたをしっかり押さえてください」と言われます。言われた通りしていると、「ペリペリッペリペリッ!」と音がします。口と両手で器用に糸を使って眉毛の毛を抜いているのです。少し痛かったのですが、きれいに形を整えてくれました。しばらくすると抜かれた所の赤みはひきます。主人の妹などは、2週間に一度眉毛を整えるためにムスカンを訪れます。糸で眉毛を抜いて整えるというのはインドではとてもポピュラーな方法だそうです。逆に私がT字カミソリで眉毛を整えているとびっくりされました。

ちなみにインド人は眉毛が濃い人が多いので、普段あまり眉を描くということがありません(結婚式などでは少し描きます)。糸で形を整えたらそのままです。また、カミソリで剃るよりも糸で抜くほうが長く持ちます。

主人の妹が「髪の毛、ムスカンで切って来たよ」と言っても、切ったのはたった5センチほどです。お尻の下まで伸びた髪を5センチ切ってもあんまりわかりませんよね。しかも、もっと伸ばしたいから切ったと言います。インドでは、田舎では特に女性の髪は黒くて長いほど美しいとされています。

ムスカンの美容師はおしゃべりで、お客さんと町中の噂話を話します。たまにしか外出の出来ないブッダガヤの女性たち(中流家庭の)にとっては、とてもよい気晴らしなのでしょう。女性が仕事をすることが理解されない社会の中で、美容師になった彼女たちはとてもしっかりした考えを持ち、自立した精神の人たちだと思います。教師、看護婦、美容師など、どんどん女性が教育を受けて自立して働けるようになればいいな、と思います。


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